2023年5月19日、G7サミットが広島で行われました。
当記事では、会食の場で出されたワイン・日本酒について、監修したソムリエ協会の見解も踏まえながら全種類紹介します。
(詳しく知りたい方は日本ソムリエ協会が発行する「Sommlier」をご覧ください。)
それぞれのお酒と料理の合わせ方(マリアージュ)もまとめていますので、ぜひご家庭で合わせて楽しみ、首脳気分を味わってみてくださいね。
2024年10月5日更新:当初は専用サイトしか購入不可だった商品が多かったですが、ほとんどの商品が楽天などで購入可能になりました!
広島サミット 5月19日 ランチで出たワイン
日本酒1種とワイン2種が出されました。
出典元:外務省ホームぺージ(G7広島サミットにおけるおもてなし 1日目:ワーキング・ランチ)
【スパークリング日本酒】 花めくすず音/一ノ蔵 (930円)
最初に出されたのは低アルコールの日本酒!
最初に出されたのは一ノ蔵 花めくすず音。
淡いロゼ色が特徴的な、アルコール度数5%の軽い飲み口のスパークリング日本酒です。
欧米から集まった首脳陣に対し、時差ボケの影響もあるので軽い飲み口の爽やかなものを選んだそう。
合わせる食事はサーモンのマリネとほたて貝のコンフィ。
上品な甘味と爽やかな酸味をもちつつ、華やかな香りがあるため、魚介の前菜に良く合います。
北天の雫2021/山野峡大田ワイナリー(2,970円)
次に出されたのは行者の水(ヤマブドウ)とリースリングの交配品種である北天の雫をつかった白ワイン。
広島県福山市の山野峡大田ワイナリーで生産されているワインです。
シャープな酸味とシトラスのような香りがあり、非常にフレッシュな柑橘の印象があるため、メバルとムール貝のアクアパッツァに合わせます。
TOMOÉシャルドネ新月2020 広島三次ワイナリー(5,500円)
下記商品は2023年6月時点で品切れでした。⇒2024年に入って在庫を確認しました!購入する場合はお早めに!
肉料理「赤座エビを巻いた地鶏のバロティーヌ」に合わせて出されたのは白ワイン。
広島県三次ワイナリーが作るTOMOE シャルドネ 新月。岸田総理の出身地ということもあって選ばれました。
シャルドネにはステンレスタンクで熟成した軽やかなタイプと、木樽を使った重厚なタイプがあるのですが、このワインは後者。高級ワイン!っていう造り方です。
「肉料理なので赤ワインでは?」と感じるかもしれませんが、地鶏のような甘みのある鶏肉に合わせることや、付け合わせのタケノコや蚕豆との相性も考えて、リッチな白ワインを選んだようです。
広島サミット 5月19日ディナーに出たワイン
日本酒4種、ワイン1種が出されました。
出典元:外務省ホームページ(G7広島サミットにおけるおもてなし 1日目:ワーキング・ディナー)
【日本酒】活濁酒 龍勢/藤井酒造 (価格不明)
ディナーの乾杯酒はにごり酒。毎年2月にしか販売されない激レア酒です。
シーズン以外はオンラインストアの取り扱いはないため、確実に購入する場合はふるさと納税を活用してください。
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で作られるスパークリング日本酒!のど越しも良く華やかであることがわかります。
【スパークリング日本酒】 泡酒(AWA SAKE) / 南部美人 (5,693円)
前菜である牡蠣の酒蒸しキャビア添えに合わせたのはスパークリング日本酒!
岩手県が誇るスパークリング日本酒です。
南部美人の味わいとして、牡蠣のクリーミーさによく合い、なおかつキャビアのうまみにも調和するためこのお酒を選んだとのこと。
なんとこのお酒、2017年・2018年に、市販されている日本酒の世界一を決める「SAKE COMPETITION」のスパークリング部門で2年連続1位を獲得した日本酒!
使用している米など詳しい情報は非公開でしたが、先ほど紹介した龍勢と同じくシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵!
ディナーのスタートにピッタリな、高級感あふれる日本酒ですね。
【日本酒】広島錦 加茂鶴/加茂鶴酒造 (5,500円(単品価格不明))
エビや冬瓜を使った椀物などに合わせるのはこちらの日本酒。
精米歩合38%(収穫した米を62%も削って廃棄し、残った部分だけをお酒にする贅沢な製法)で仕込んだお酒。
柔らかく滑らかな味わいな上、かりんやバナナのような上品な果実も漂う逸品です。
富士の夢 2021 / 山野峡大田ワイナリー (2,970円)
ランチと同じく山野峡大田ワイナリーさんが手掛けるワイン。次は赤ワインが来ました。
日本固有の行者の水と言われるヤマブドウと、世界的に使用されているメルローを交配した富士の夢という品種で作ったワイン。
メインとなる広島牛に合わせていただきます。
牛肉料理ではあるものの、味付けが純和食で繊細なため、渋み成分がなめらかで優しいこのワインを合わせています。
【熟成日本酒】貴醸酒 10年熟成太古酒 華鳩(ハナハト)/榎酒造(6,600円)
食後の水菓子に合わせて飲むのは10年も熟成した日本酒。
もみじ饅頭に含まれる醤油の風味に合わせて提供されたそう。
ワインでも日本酒でも、長期熟成すると出汁っぽさが出てくるので、しょうゆなどの調味料に合いやすくなるんです。
広島サミット 5月20日ランチに出たワイン
梅酒・白ワイン・日本酒が1種類ずつ出されました。
出典元:外務省ホームページ(G7広島サミットにおけるおもてなし 2日目:ワーキング・ランチ)
【梅酒】Sakuro Selected Cask Aging(2,750円)
二日目はウイスキー樽で熟成させた梅酒であるSakuro Selected Cask Agingでスタート。
アルコール度数が高いため、炭酸水で半分に割って提供されたようです。
合わせるのは魚介系の寿司などでできた八寸。梅の風味でさっぱりといただけそうですね。
L’Orient 甲州 Vigne de Nakagawa 2021 / 白百合醸造(2,640円)
次にいよいよ日本固有のブドウ品種である甲州を使ったワインが出されました。
伊勢海老や明石鯛、同じく魚介系の椀ものや焼き物まで、幅広く合わせます。
これらの料理が非常に旨味のある魚介であり、甲州に和柑橘(柚子やかぼす)のような風味があるため、さっぱりさせつつおいしくいただくことができる素晴らしい組み合わせです。
魚介=白ワインのイメージが強いですが、生魚にあうワインはなかなかありません。
しかし甲州なら、魚の生臭さを出すことなく、しっかりと合わせることができます。
【日本酒】純米大吟醸 35 賀茂金秀/金光酒造(価格不明)
最後には広島 金光酒造の純米大吟醸35が出されました。
吟醸らしくメロンやマスカットのような香りがするこのお酒を、繊細な味わいがする近江牛に合わせていただきます。
特にソースとなっている鶯あんによく合う香りとのことでした。
広島サミット 5月20日ディナーに出たワイン
日本酒3種、ワイン2種が出されました。
出典元:外務省ホームページ(G7広島サミットにおけるおもてなし 2日目:カクテル及び社交夕食会)
【日本酒】純米大吟醸 蓬莱鶴 奏 ~harmony~ /原本店(1,595円)
最後のおもてなしディナーで乾杯酒を飾った蓬莱鶴。
やはり開催地広島が誇る日本酒で締めくくります。
【スパークリング日本酒】千福 /三宅本店(2,200円)
フレッシュなスパークリング日本酒である千福。
なかなかのレアな日本酒が出てきました。
前菜である毛ガニ、牡蠣、ウニなどに合わせていただきます。
上品な甘み、まろやかなうまみ、フレッシュな酸味を合わせもつお酒なので、ワインが合わせにくい食材にも合わせることができます。
【日本酒】特別純米酒 廣戸川/松崎酒造(1,540円)
福島県 松崎酒造の日本酒。
広島特産のレモンを使った「冷やしレモン味噌汁」に合わせていただきます。
冷やしレモン味噌汁は冷たさのある上品なうまみをもっているため、この日本酒が持つまろやかな甘みとうまみのバランスの良さを乗せることで、相乗効果が得られます。
TOMOÉ 小公子 マスカット・ベーリーA / 広島三次ワイナリー(3,300円)
ランチに引き続き、ディナーも日本の土着品種の代表格であるマスカット・ベーリーAと
小公子のワインです!
日本を代表する土着品種であるマスカット・ベーリーA、2日目でついに出てきました。
岸田総理夫妻が三次市出身のため、やはりメイン料理に合わせてきました!
小公子が持つしっかりした酸味、凝縮した風味と、マスカット・ベーリーAがもつ華やかな香りとまろやかな果実味を掛け合わせたワインです。
鹿児島牛の繊細な味わいにもよく合います。
さらに、意外なことにオタフクソースを使った岩ガキのお好みやきにもマリアージュ。
日本ワインが持つ「いろいろな料理にマリアージュできる」という特性をフルに生かしています。
山幸アイスワイン 2021 / 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(5,280円)
楽天・Amazonで全く出てこない激レアワインです。
日本の土着品種である山幸を使ったアイスワイン。
チョコレートでできた折り鶴やイチゴのジェラートによく合います。
かなりレアなワインで、記事執筆時点(2023年5月21日)で、2021年ヴィンテージは売り切れでした。
特に近年は地球温暖化の影響で、アイスワインの生産量が世界的に激減しています。在庫を見かけたらとにかく確保することをお勧めします。
アイスワインは甘口で優雅な香りがあるため、ワインを苦手な初心者にもおすすめです!
今回は広島サミットで出されたワインについて特集しました。
レアでしたが手が届かない金額ではないため、話題作りに飲むとおもしろいですね。
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