テイスターへの道、今回は「あれ?僕ってシラーをブラインドで産地まで当て切るの苦手じゃね・・・?」ということに気づいたので、産地ごとに比較テイスティングしていきます。
一応、ローヌは当てられる確率が高いので除外し、それ以外の産地に絞っていますのでご了承ください。

ローヌのシラーについては、別の機会で飲むことがあったら追記しますね。
ちなみに産地ごとに比較テイスティングするこの企画、前回はヴェルメンティーノで行いました。
かなり勉強になったのと、けっこうウケが良かったので、今後もシリーズ化していこうと思います。
でも1記事書くごとの労力が凄いので、ゆっくり目に更新していきます・・・(笑)
というわけで今回はシラーです。
なお参考までに、今回のワインは全てワインネーションさんで集めました。
↓のように品種ごとでサーチできるので、品種を絞って集めたいときは重宝します。


それでは早速始めていきましょう。
一般的なシラーの品種特徴

まずは一般的に言われている品種特徴について、ChatGPTにまとめさせてみました。
シラー(Syrah)の特徴
ブドウの特性
- 原産はフランス・ローヌ北部。
- 果皮が厚く色素が豊富で、濃い色調のワインを生む。
- 酸とタンニンがしっかりし、熟成向き。
- 温暖地では力強く濃厚、冷涼地ではスパイシーでエレガント。
ワインの外観
- 濃いルビー~紫色、不透明感が強い。
- 熟成するとガーネットやレンガ色へ変化。
香り
- 果実:ブラックベリー、カシス、プラム。
- スパイス:黒コショウ、クローブ、リコリス。
- 熟成:レザー、スモーク、チョコレート、トリュフ。
味わい
- ミディアム~フルボディ。
- 酸は中~やや高め、タンニンは力強い。
- 温暖地:濃厚でアルコール度高め。
- 冷涼地:酸が引き締まり、スパイシーで上品。
これを読むだけでも、冷涼地~温暖地でかなりスタイルに開きがあることがわかります。
しっかりと各地のスタイルを体感しておくことが重要です。
チリのシラーをテイスティング
ボルドー系のブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー)で大成功を収めているイメージの強いチリ。
フンボルト海流により冷涼な気候が保たれ、日較差も大きいため酸味も残りやすいです。
ミドルクラス以下のワインには、特有の「チリ感」が出ることが多い印象ですが、ローヌ系の品種においてはどうでしょうか。
テイスティングで確認していきましょう。
マテティック コラリージョ シラー 2021

カサブランカ・ヴァレーからサンアントニオ・ヴァレーに広がる畑を持つマテティック。
チリで冷涼スタイルのシラーを初めて作った、パイオニア的存在と言われています。
外観を見ると、エッジに少しだけ酸化熟成のニュアンスを感じるものの、赤紫色の色調でpHは低めに思われる。粘性も高めで、果実の成熟を感じさせられます。
意外なことに、香りの最初の印象はローストがしっかりと効いた樽のニュアンス。チョコ・トーストと言った言葉が浮かびます。よく熟したブルーベリー・カシスに加え、チリ特有の野菜香(自分的には「トマトの茎を切った時の匂い」が感じられる。ややゲイミーなニュアンスはあるが、ローヌほど前には出てこない。
アタックはかなりボリュームがある。酸量はあるが非常に丸く、完全にMLFしているような印象。タンニンも溶け込んでいるため主張は控えめで、熟成のニュアンスを感じる。4年熟成でここまでこなれた感じになるとは意外。レトロネーザルはラズベリーヨーグルトやチョコのニュアンスがあり、第一アロマがそこまで主張してこないのが意外であった。
香りの特徴からチリまではたどり着けると思われたが、そこからシラーに行く決め手が結構難しい。黒系果実が無いのでメルローを外し、ピラジンの出方からカベルネやカルメネールを外し、タンニンからカリニャンを外し・・・と、丁寧に考察する必要がありそうだ。
イタリア シチリア州のシラーをテイスティング
あまりシラーのイメージは強くないかもしれませんが、イタリアでは広範囲でシラーが栽培されています。
特にラツィオ ロッソでブレンドとして使われるのが有名でしょうか。
今回は、これまであまり飲んだことが無かったシチリア州のシラーを飲んでみます。
バッリョ ディ ピアネット シラー 2023

もともとフェラーリのレーサーだった先代オーナーが立ち上げたという、異色のワイナリー。
シチリア州の南東に位置し、イタリアの中でも最も温暖な地域と言えます。
海から2kmの場所にある砂質土上の畑で育てられたシラーを使っているため、このあたりのテロワールがどう影響するかに注目したい。
外観は澄んで向こうが普通に透けて見えるレベル。エッジは顕著に赤みがあり、pHの低さを感じる。外観からはかなりフレッシュな印象を受けるが、粘性はしっかり高いので熟度はある様子。
香りはブルーベリー~カシスが中心的だが、鉄っぽさとコショウのむわっとくる感じもある。少しスワリングするとゲイミーな印象がしっかりと出てくる。香りの要素を一つずつ見ていくと、教科書的な冷涼地シラーという感じ。以前北イタリアのシラーを飲んだ時はスミレの香りが爆発する感じだったが、こちらはかなり抑制が効いている。
アタックは最初丸みを感じるが、ややシャープさを持つ酸味がとても豊かなことにすぐに気が付く。コーティンギッシュとまではいかないが、タンニンも豊かで歯茎に残る。アルコールの広がりも豊かで、レトロネーザルとしてブルーベリー・カシスとスミレがしっかりと感じられる。
全体として、シラーの中では果実味がしっかりと感じられる部類で、リッチな印象もある。しかししっかりとした酸味や渋みが余韻をキュッと引き締め、トータルとしてのバランスはしっかりとエレガントさをキープしている。
間違えやすそうなのはクローズ・エルミタージュのシラー。クローズ・エルミタージュを少し果実味側に振り、全要素を温暖地寄りにハイボリュームにした、といったような印象を感じる。シラーにはたどり着けると思うが、産地を当てに行くとしたら果実とアルコールの強さをしっかりと取り切る必要がありそう。
でもブラインドで「シチリア」と答えるのは相当勇気がいりそうだ。
アルゼンチンのシラーをテイスティング
全体として非常に標高が高い場所でワインを生産しているアルゼンチン。
アルゼンチンのテロワールの特徴は、日射量は十分強いため果皮はしっかりと色づく割に、標高が高いため酸味が強く残りやすいことです。
アルゼンチンの赤ワインとなるとやはりマルベックが有名ですが、シラーではこのようなテロワールがどう反映されているのでしょうか。
ボデガ コロメ ロテ エスペシアル シラー 2022

アメリカの有名ワイナリーである「ヘス」との結びつきも強いボデガ・コロメ。
こちらはボデガ・コロメの中でユニークなテロワールを表現するシリーズである、「ロテ・エスペシアル」シリーズとなります。
標高2,300mに位置する畑「コロメ」のテロワールがどのように出ているのか、注目しながらのテイスティングです。
外観はしっかりと濃く、透き通っているのに奥が見えないような色調。しっかりと赤みを帯びていてpHの低さも感じられる。粘性もトロリとしていて、いかにも新世界的な外観。
香りの第一印象はカシスっぽさのあるブルーベリー。やや火打石的なニュアンスもあって還元的。かなり閉じていて、しばらく時間がかかりそう。少しずつ開いてくるとスミレの香りが立ってきて、濡れた石のようにムワッとした感じがある。
アタックは強めだがマイルドさがあり、酸味の刺激は少ない。タンニンがやや荒々しく、しっかりと日光を浴びた印象を受ける。やや苦みにもとれる余韻がある。正直なところ、自分の中ではあまりバランスが良いという印象は感じず、パワーで押し切るタイプのように感じられる。
アメリカのヘスもかなりパワーを感じるワインであったが、全体的なバランスはしっかりと取れていた。一方でこちらはややパワーに振りすぎている印象。
これをブラインドでアルゼンチンシラーと断言するのは相当厳しい。あえて間違いやすい品種を挙げるのであれば、チリのカリニャンからチリ臭を引いたという感じ。正解にたどり着く道筋としては、香りの印象とバランスから南米に行くことを最優先にし、そこからチリではないことに気づきアルゼンチンを本命とし、マルベックではなさそうだから何だろうか・・・という思考をしていかないとたどり着けなさそうだ。
ニュージーランド ホークスベイのシラーをテイスティング
ニュージーランドのシラーは比較的有名かと思います。
マールボロなどでも栽培されていますが、やはり王道なのはこのホークス・ベイではないでしょうか?
私の中では、最もローヌ地方のシラーに近い新世界産地だと思っています。
コート・ロティにも通づる胡椒感とお花感をどこまで感じられるか、テイスティングしていきます。
レヴレット エステート ホークスベイ シラー 2020

ホークスベイとマールボロに畑を持つレヴレット。
日当たりがよく、海からの冷涼な風が吹き付ける自社畑「タンタロン・ヴィンヤード」で栽培したぶどうを使っています。
フレンチオークで12ヶ月熟成しています。
5年前ヴィンテージということもあり、エッジは落ち着いており、しっかりと赤みがあるので酸を感じる。一方で中央はやや深みのあるダークルビーで、完全に透明というわけではないので、向こう側がぎりぎり透けて見えないレベル。
最初に来る香りはラズベリー~ブルーベリーで、後からむわっとしたロタンドンの香りが印象的。果実はフレッシュというよりしっかりと熟しており、若干リキュールに近いニュアンスもある。スミレとコショウが両方強く香り、冷涼な印象をしっかりと感じる。やはりローヌシラーにかなり近い。温度上昇と共にゲイミーなニュアンスも出てくる。
アタックは中程度からやや強い程度で、比較的滑らかなテクスチャー。この辺りは品種特徴というよりは熟成の影響がありそうだ。酸の総量はしっかりとあり、しっかりと口中を引き締めるタンニンもある。かなり飲み頃と言えるだろう。レトロネーザルではスミレが最も強い。
ここまでのコメントを見てもそうだが、やはりローヌのシラーととても近い味わい。クローズ・エルミタージュほどむわっとしないが、サン・ジョセフとかなり近い。果実に若干リキュール的な要素を感じることと、熟成ポテンシャル(ローヌは5年熟成だと、もっとタンニンが荒い印象)あたりが差を感じるポイントか。あとはアルコールが12.5%のため、ボリュームはこちらの方がややスリム。
おそらくブラインドで出てきたらローヌシラーと答えてしまいそうだが、細かなニュアンスとアルコール感を順番に整理して、いつか当ててみたい産地だと感じた。
オーストラリアのシラーズをテイスティング
最後に超王道ですが、オーストラリアのシラーズを複数テイスティングしていきます。
理由は2024年のヴィノカップ、2025年のJSAブラインドテイスティングコンテストで、いずれも外しているから。
自分の体質なのか経験不足なのかわかりませんが、どうにもオーストラリアのシラーズが苦手なのです。

苦手なのであれば、やるしかないよね。
オーストラリアのシラーズは比較的当てやすい部類だと思いますので、このまま放置すると他の人は正解で自分だけ不正解・・・ということになってしまいます。
そうならないようにしっかりテイスティングしておきます。
ザ エステイト ヴィンヤード シラーズ デ ボルトリ 2024

こちらはヴィクトリア州 ヤラ・ヴァレーのシラーズ。
オーストラリアの中では冷涼な気候のヤラ・ヴァレーで、全房発酵で作ったシラーズです。
極力人の手を介入させないように意識して作っているということですので、そのあたりを意識してテイスティングしてみましょう。
外観は濃すぎず、冷涼~温暖の中間的な印象。やや清澄度が低く、ノンフィルターと思われる。
香りの第一印象はコンポートに近いブラックベリー。コーヒーやチョコのニュアンスも相当に高い。少しのスワリングでスミレ香が強く立ち、カシスの香りも出つつ根菜のようなボタニカルな印象もあり複雑。遅れて胡椒のスパイシーさがある。
アタックは程よく、酸味の主張は意外と少ないが、後からやや遅れて唾液を引き出す感覚がある。タンニン量もそれなりという感じで、荒々しさは感じない。苦みにも似た余韻を引き締める感覚も感じられる。レトロネーザルではやや植物的な印象が感じられ、全房発酵による効果かと思われる。飲んでいるうちにややゲイミーな感じも出てきた。
全体として香りの要素は多く、価格に見合った品質であると思う。酸の量やタンニンのテクスチャーから、比較的冷涼なニュアンスもしっかりとれる。
このワインの特徴な気もするが、やはり植物の茎的な香りが強めに感じられ、自分の中ではチリの比較的冷涼な産地のカルメネールなどとも迷う。ただ、このワインにはシラーらしいスミレの強さと、奥まった場所に胡椒のニュアンスやゲイミーさも感じられるため、丁寧にテイスティングすれば判別できると思われた。
パーカー エステート クナワラ シラーズ 2020

手摘み後、ステンレスタンクで発酵させ、古樽で14か月熟成したワイン。
クナワラと言えば、鉄分を含んだ赤い土「テッラ・ロッサ」と海風の影響を受けるという独特なテロワールで、オーストラリアの中でも洗練されたブドウを生み出す産地。
バランス感に意識をしながら、テイスティングしていきましょう。
明るく透け感のある色調でエッジもしっかりと赤い。pHも低そうだ。5年経過していることから若干茶色さも感じられる。
香りはラズベリー、ブルーベリーあたりが中心で、シナモンと若干の黒コショウ。特徴的なのがドライフラワー的なニュアンスがあり、モダンなネッビオーロっぽさも少し感じられる。鉄とヨードっぽさもある。よく集中すると、ほんの少しユーカリやミントのニュアンスがある。
アタックはしっかりとしていて、第一印象は酸味がとても優勢、しかしアルコールもしっかりという感じ。タンニンは量的には程よくあるが、荒々しさが感じられず心地よい。あまり日光を当てないようにマネジメントしたのかな?と感じられる。飲み込んだ後も果実感はやや抑制的。
一個一個の要素はエレガント寄りなのに、アルコール度数は14.5%もあることから、断定が難しいワイン。少なくともいきなりオーストラリアのシラーズには持っていけなさそう。
間違えやすい品種としては、グルナッシュ、ネッビオーロ(モダンなタイプ)、バルベーラあたりが挙がる。酸味の強さ的にグルナッシュを外し、モダンなネッビオーロであればもっと赤い果実がしっかり出るので外していきたい。バルベーラだと色調はもう少し紫がかってほしいが、正直間違える可能性がどうしても残る。時間がたつと挽いた胡椒っぽさが出てくるので、このあたりで運よく判別できると良いけど・・・。
いずれにしてもおいしいワインだったので、もっと気楽に飲みたかったです。
バロッサ インク シラーズ グラント バージ 2023

シラーズの聖地であるバロッサ・ヴァレー。ヤラ・ヴァレーに比べると温暖な産地です。
ステンレスタンクで発酵・熟成していて、果実の味わいをダイレクトに感じることが出来そうです。
外観はかなり濃く粘性もしっかりとあり、典型的なバロッサシラーズの印象です。エッジは赤紫で、今回比較している他の産地に比べるとpHはやや高めな気がします。
香りの第一印象はカシスとブルーベリー。ブラックチェリーまではいかないくらい。ユーカリやミント的な清涼感もあり、カベルネ・ソーヴィニヨンとの差がわかりづらい。少しスワリングするとゲイミーさが立ってくるため、この時点で少しシラーズらしさを感じ始められる。バロッサのシラーズで胡椒を感じることはあまりないが、こちらはごくわずかに胡椒のニュアンスを感じます。
アタックのボリュームはやはり強いが、タンニンは荒々しくなくマイルドなテクスチャー。一方で酸味はそれなりにあり、パワフルだが全体のバランスは取れている。余韻で、舌の奥に若干の苦みともとれる味わいが広がる。
総合的な印象としてはいわゆるバロッサのシラーズで、自分がいつも新世界のカベルネ・ソーヴィニヨンと間違えるタイプのワイン。近い産地のカベルネと比較すると酸味がやや控えめなことと、やはり香りの序盤で感じられるゲイミーな印象をいかに漏らさないかが勝負の分かれ目になりそうだ。

自分が最も苦手とするタイプのシラーズだったよ!
(番外編)アメリカ カリフォルニアのプティ・シラーをテイスティング
品種は違いますが、「プティ・シラー(デュリフ)とシラーって、ちょっと似てない?」と思ったので、こちらもテイスティングしておきます。

シラーの子供にあたる品種ですね。
ジンファンデルにブレンドされることが多い品種ですが、ブラインドで出てくると困るので、ちゃんとテイスティングしておきましょう。
ライン 39 プティット シラー 2019

こちらはプティ・シラー、ジンファンデルのブレンドワイン。ブレンド比率は調べることができませんでした。
外観は濃く、シラーと同じくエッジは赤茶けている。シラーに比べ、中央とエッジの色調差が若干少ない印象です。
香りの第一印象はカシスリキュールと土っぽさ。土っぽさは熟成から来ているのもあるかもしれないが、どちらかというと品種由来かな?数回のスワリングで、豊かなスミレ香と鉄分が強く主張してくる。ホールペッパーの香りも少し感じられる。
アタックはマイルドだがアルコールは強く、タンニンの量は豊かだが滑らかで、酸も程よい。シラーと比べると酸量が最も顕著に違うポイントか。辛口だがやや甘い印象を感じる。
やはり品種が違うため、シラーには間違えにくい。土・鉄分のニュアンスが強いためイタリア系品種を考えるかと思ったが、果実の丸みがしっかりと出ているため、イタリアと間違えることはないと思う。全体のバランスから新世界にはすぐにたどり着けるため、香りの特徴を中心に考えたとき、プティ・シラーという選択肢を思いつけるようにしておきたい。
シラーのテイスティングを行ったまとめ
今回もなんとか飲み終わりました。
わかってはいましたが、世界中で栽培されている品種のため、全く別のぶどうにも思われるくらい味わいに差がありました。
ソムリエ・ワインエキスパートの「ローヌシラーか?オーストラリアシラーズか?」みたいな二択とは次元が違う難易度です。
ブラインドでシラー(シラーズ)を見分ける方法
難しいですが、ブラインドでシラーを見分けていかなければいけません。
産地によってかなりの幅がありますが、まずはシラーを疑う取っ掛かりをまとめてみます。
| 外観 | ・濃淡は非常にばらつきが大きい ・低pHのため、エッジに赤い色調が出ることが多い |
| 香り | ・スミレ(βイオノン)の香りが強い ・胡椒を感じるものが多い ・動物的なニュアンスが出るものも多い |
| 味わい | ・タンニンの荒々しさは少なめ ・酸量は多いが、質感はかなりばらつく |
「シラー=胡椒」という認識は避けておいたほうが無難です。
特に私は体質的に胡椒を感じにくいので、胡椒を判断軸にはしないようにしたいところ。
シラーの産地を見分ける方法
シラーは産地によって非常に幅が広いため、「シラーかも?」と感じた際には、他のブドウ品種も多数浮かんでいることが多いです。
産地とセットで考える必要があるため、自分なりにしっかりと特徴をまとめます。
| 国 | フランス ローヌ | オーストラリア(バロッサ) | オーストラリア(ヤラ&クナワラ) | チリ | アルゼンチン | ニュージーランド | イタリア(シチリア) |
| 外観の濃さ | 中 | 非常に濃い | やや濃 | 中 | 濃 | 中 | 中 |
| エッジの赤み | 強 | やや弱 | 中〜強 | やや強 | 中 | 強 | 強 |
| スミレ | 強 | 強 | 中 | 中 | 中 | 中 | 中〜強 |
| 胡椒 | 強 | 弱 | 弱 | 弱 | 弱 | 中〜強 | 強 |
| 動物 | 強 | 中 | 弱 | 弱 | 弱 | 弱〜中 | 強 |
| 酸味 | 強 | 中 | 中〜強 | 中 | 中〜強 | 中〜強 | |
| ポイント | むわっとした胡椒 | ユーカリ | 根菜・ドライフラワーなど | チリ臭 | 根菜 | ローヌに類似 | ローヌに類似 |
まとめてみると、かなりローヌに近い産地のものがいくつかありますね。
このあたりをブラインドで感じ分けるためには、やはり整理しつつ数を飲んで、それぞれの産地の振れ幅をしっかり整理していく必要があります。
例えばフランス クローズ・エルミタージュのシラーの胡椒感を100としたときに、ニュージーランドは80くらいになることが多い・・・など、ローヌシラーを基準にして要素の強弱を整理しておくと使えそうです。
さて、徹底テイスティングシリーズ第二弾、いかがだったでしょうか。
記事を書くときにとても勉強になるので、今後も別の品種でやっていこうと思います。

面白かったらコメント欄で教えてね!




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