ヴィノテラスワインスクールで「ピノタージュ100周年記念セミナー」を受講したところ、南アフリカワイン協会が主催する「DISCOVER SOUTH AFRICA」という試飲会に招待いただけました。


こちらは本来は業者向けの商談用試飲会なので、通常は私のような一般人は入ることはできません。
さすが業者向けの試飲会という感じで、試飲可能なワインは150種類以上!
全てではないですが、相当な数を試飲してきましたので、この中からオススメを厳選してご紹介します!
南アフリカワイン試飲会で見つけた美味しい白ワイン
まずは白ワインから。
個人的には南アフリカのシャルドネとシュナン・ブランはめちゃくちゃ好きです。
どんどん品質の高いものが出てきている印象ですが、やはり最先端の試飲会だと様々な種類の高品質ワインがありました。
シャルドネ・クローナル・セレクション リチャード・カーショウ・ワインズ
とても有名なワイナリーなので、ご存知の方も多いと思います。
南アフリカの冷涼産地、エルギンの作り手「リチャード・カーショウ」。
高級感のある木樽の香りと、それに負けないブドウのポテンシャルがとてもいいバランスです。
レモン、りんご、桃、金木犀、バニラ、などが香りつつ、全体をキュッと引き締める酸味のバランスが素晴らしいです。
ニュートン・ジョンソン アルバリーニョ
抑えの効いたアルバリーニョという印象のワイン。
本場スペインよりも香りの幅がやや狭まり、フードフレンドリーな味わいになっています。
リンゴの果実や花、紅茶のニュアンス、スルスル飲める軽快なテクスチャーとキレのある酸味が共存。
魚介系の料理全般に合いそうです。
アスリナ シュナン・ブラン スキンコンタクト
2021年から登場したこのワイン。
普通の白ワインはまずブドウジュースだけを抽出して発酵させますが、こちらはブドウジュースと果皮を接触させる「スキンコンタクト」という手法を低温で長期間実施。
これにより果皮の香り成分と適度な渋みが抽出され、カリンや花の豊かな香りを最大限引き出しつつ、後味はキュッと締まるため、バランスよく食事に合う味わいに。
和食の煮物などにもしっかり合ってくれそうです。
あとは生産者の方とお話できたのですが、家族思いのとてもやさしい女性で、「アスリナ」というのは彼女のおばあさまのお名前だそうです。
デ・ウェオフ レスカ シャルドネ
ロバートソン・ヴァレーの冷涼な気候が育む「レスカ シャルドネ」は、ピュアな果実味と繊細な酸が魅力の一本。
新樽から3年目までの木樽を使ったリッチな樽香と、それに負けない果実のポテンシャル。
リッチな香りと味わいですが、冷涼気候のため酸味がしっかりと残っており、全体的なバランスは非常にエレガント。
3分の1の価格で購入できるムルソーと言った印象です。

ウェオフは僕の大好きな造り手さん!
デ・ウェオフ ザ・サイト シャルドネ
石灰を豊富に含んだ単一畑から生まれる限定キュヴェ。
「ベスト・オブ・南アフリカ・白ワイン 2020」に選出された、まさに南アフリカの最高峰白ワイン。
熟した洋梨や焼きリンゴ、ヘーゼルナッツの香りに、バニラとトーストのニュアンス。
先ほどの「レスカ シャルドネ」はムルソー的な味わいですが、こちらはシャサーニュ・モンラッシェ的な味わい。
リッチなテイストとシリアスなミネラルとエレガントな酸が同居する、高級ワインの要素をしっかりと備えた1本でした。
南アフリカワイン試飲会で見つけた美味しい赤ワイン
つづいて赤ワイン。
南アフリカは赤ワインも良いものが多く、個人的にはボルドーブレンドのものが特に完成度高いように感じています。
一方で、まだライト~ミディアムボディの美味しいワインにはあまり出会えていなかったです。
ニュートン・ジョンソン ファミリー・ヴィンヤーズ ピノ・ノワール
南アフリカの中でも新しい産地「オーバーヴァーグ」でニュートン・ジョンソンが手掛けるワイン。
輸入元のモトックスさんいわく、「南アフリカで最もうまくピノノワールを作るワイナリーのひとつ」とのこと。
南アフリカのピノノワールってどこか野性的な硫黄臭があり、品質的にはまだまだかな・・・と感じていましたが、こちらを飲んでビックリ!
シルキーなタンニンと長い余韻が印象的で、香りも赤系果実を中心として引き締まった印象。フランス ブルゴーニュ地方のコート・ド・ニュイ的な味わいです。
価格も手が届きやすく、軽い赤ワインが好きな方には是非一度飲んで欲しい1本です。
グレート・ハート・ワインズ カベルネ・フラン
名門ムルダー・ボッシュのスタッフが手掛けるフェアトレードブランド「グレート・ハート」。
カシスやブラックベリーに加え、ピーマンやハーブの香りが心地よく、エレガントでバランスの取れた味わいです。
あえて新樽使用を控え、果実の純粋さを引き出していて、程よい骨格と優しいタンニンが共存し飲み飽きないスタイル。
南アフリカの人と土地への敬意を感じる、温かみのある赤ワインです。
ザ・フレッジ シラー
南アフリカの中でも冷涼な産地として知られるエルギンとアグラスのブドウを使って作られたワイン。
製造過程でもコンクリートタンク、フレンチオーク、アメリカンオーク・・・など別々の容器で発酵・熟成させつつ、それらを慎重にブレンドして、複雑な味わいをっ表現しています。
いわゆる新世界的なドンッ!という感じのシラーではなく、歴史あるヨーロッパと南アフリカの特性が共存しているような、エレガントな味わい。
胡椒の香りで有名なシラー種ですが、こちらはそれ以外のスパイスも複雑に絡み合う香りで、本家フランスとは違うスパイシーさを楽しみたい方にはオススメの1本。
クラウズ・エステート ピノ・ノワール
ウォーカーベイの冷たい海風が吹く斜面で栽培されたピノ・ノワール。
透明感のあるルビー色が美しく、チェリーやラズベリーの果実香に、スパイスとほのかな樽のニュアンスが重なります。
口に含むとしなやかな酸と滑らかなタンニンが広がり、余韻には紅茶や森の土のような複雑さ。
ブルゴーニュに通ずる繊細さと、パワフルな新世界の二面性を持つ、面白いピノノワールでした。
ナットファレー・ワインズ コースタル サンソー
南アフリカの古木サンソーを使用した、軽やかでチャーミングな赤。フランスでいうとガメイのような印象です。
ラズベリーやクランベリーのフレッシュな果実に、ローズマリーや白胡椒のニュアンスが加わり、瑞々しくも奥行きのある香り。
冷やしても美味しそうで、夏に川でBBQとかしながらグイっと飲みたいワイン!
自然な造りを志すナットファレーの哲学が息づく、ピュアな1本です。
南アフリカワイン試飲会で見つけた美味しいスパークリングワイン
南アフリカはスパークリングワインも有名で、特にシャンパーニュと同じ製法で作られる「キャップクラシック」が高品質ワインとして有名です。
今回はカジュアルレンジ~ミドルレンジのワインをいただいてきましたが、「これは!」と思うものが3つあったのでご紹介します!
ドメーヌ・デ・デュー クラウディア ブリュット
フランス・シャンパーニュ仕込みの職人技を南アフリカで体現する「ドメーヌ・デ・デュー」。
この「クラウディア ブリュット」は、シャルドネとピノ・ノワールを伝統方式(瓶内二次発酵)で仕上げた、上質なキャップ・クラシックです。
長期熟成によって生まれる繊細な泡とブリオッシュの香り、柑橘や青リンゴの爽やかさが見事に調和。

「お高くとまってないシャンパーニュ」って感じの香り(笑)
特別な日の乾杯にもなるし、気軽に食事のお供にするにもぴったりの逸品です!
グラハム・ベック ブリュット ブラン・ド・ブラン
ネルソン・マンデラからオバマ大統領まで、歴代の祝杯に選ばれた南アを代表するスパークリングとのこと。
シャルドネ100%で造られるため、香りがとても繊細で酸味も豊かな、エレガントなワインです。
冷涼なロバートソン産ブドウなだけあり酸とミネラルが際立ち、レモンや白い花、トースト香が華やかに広がります。
瓶内熟成によるクリーミーな泡が心地よく、余韻にはナッツのような複雑味も。
数々の品評会でシャンパーニュ以上の評価をつけられていることもあり、「高級なスパークリングを安く買いたいけど失敗したくない」というワガママな人にピッタリなワインと言えます!
クローヌ ロゼ・キュベ・ブリュット
1693年創業、南アでも屈指の歴史を誇るクローヌが手掛けるロゼ・スパークリングです。
色味がとっても美しく、サーモンピンクの美しい色合いに、イチゴやラズベリーの果実香、バラの花びらのような華やかさ。
口当たりは柔らかく、果実の甘みと引き締まった酸が絶妙なバランスを奏でます。
こういうワインを若いころに、クリスマスディナーで飲みたかったです。(笑)
いかがでしたか?
あまりワインを知らない人からすると「南アフリカってワイン作ってたんだ・・・」みたいな産地だからこそ、最新の南アフリカワインを知っていると一気に差がつくと思います。

今後も南アフリカワインから目が離せませんね!



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