ソムリエにテイスティングを求められた(ホストテイスティング)時はどうしたら良い?

白ワインをグラスに注ぐイメージ、ホストテイスティングのやり方、切り抜け方 コラム
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飲食店でいきなり「ワインをテイスティングしていただいても良いでしょうか?」と言われたら緊張しませんか?

お店によっては、ワインを注文すると「テイスティングさせていただいてもよろしいでしょうか?」と聞かれませんか?

また、こちらにもテイスティングを求められることがあり、「なに言っていいかわかんない」という状態になったことはないでしょうか。

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これが怖くてワインを頼めないという人もいますので、今回はホストテイスティングについて解説します。

そもそもホストテイスティングとは?

赤ワインをグラスに注ぐ写真

ホストテイスティングとは、お店で注文したワインをお客様に飲んで頂く前に、双方で「このワインは健全だよね」と確認する作業です。

そのため、健全でなければ新しいものに交換をお願いしてしまっても全く問題ありません。

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健全なワインなのに、悪意があったり間違った知識で「健全じゃない」と主張したら問題です。

「健全なワインとは?」については、次項目で解説します。

ソムリエが行う確認

ワイン代はこっち持ちなのに、お店の人が一口飲むなんて何事だ!と思う人が一定数います。

ワインは結構高いですし、一滴でも多く飲みたいと思うのは当然かと思います。

ただ、ソムリエはその一口で、皆様にお出ししても良いかを確認してくれています

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「良好な状態のワインを飲むために5~10mL(1%程度)を投資する。と考えれば、気が楽になるかもしれませんよ。

ソムリエは、大きく劣化の確認とデカンタージュの必要性を確認していますので、それぞれ解説します。

劣化の確認

ブショネ(コルク臭)の確認

最も重要な確認項目が、コルク由来の悪臭「ブショネです。

 ワインの栓になっているコルクには、数パーセント程度の確率で不良品が混じっています

 コルクの製造工程ではコルク中の微生物を殺菌する工程があるのですが、このとき微生物が若干でも生き残っていると、徐々に不快な匂いを出すようになります。

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この時発生する物質はTCA(トリクロロアニソール)と言って、25mプールに1滴垂らすだけでも悪臭がわかる物質です。

 この物質が発生すると、濡れた雑巾というか、質が悪く何かくさい段ボールというか、ひどいものだと飲めたものではない香りがします。

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私は通販大好きなのですが、通販サイトでたまにブショネっぽいにおいのする段ボールを使用しているところがあります。

こういうお店は次回から使わないことにしています。

 タチが悪いことに、この不良品を見分けることは今の技術ではほぼ不可能です

 コルクメーカーはブショネをなくすための研究をしているものの、天然のコルクを使用する以上は避けて通れない問題になっています。

 ワインを開けて初めてわかるため、サービスを開始する前にブショネを判別できる人間がチェックする必要があるのです。

ちなみにブショネは天然のコルクでしか発生しないため、例えば金属製のスクリューキャップではブショネをチェックする必要はありません。

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お店によりますがスクリューキャップではホストテイスティングをしないこともあります。

そのほかの劣化の確認

ブショネの他には熱・光による劣化があります。

ワインは高温で保管されるとアルコールが酸化されて酢酸になったり、光(特に紫外線)の影響で香りが無くなってしまっていたり、ひどいものだと吹きこぼれて栓の付近がべちょべちょになって固まっているものもあります

こういった変化は、かなり劣化してない限り一般の方にはわかりづらいのですが、やはりおいしさはどんどん減ってしまいます。

健全な状態のワインを知っている人であれば明らかにおかしいことに気づけるため、ソムリエにしっかりチェックしてもらうのが良いでしょう。

デカンタージュの必要性の確認

例えば熟成してこそ真価を発揮するようなワインの場合、「熟成が足りないため、香りが広がらず味も渋いだけ」ということがあります。

こういったワインのポテンシャルを無理やり引き出す技として、デカンタージュがあります

デカンタージュするとワインが一気に酸素に触れ、ワインの香りが立ち、渋みもある程度丸まって飲みやすくなります。

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もちろんゆっくり熟成したものよりは味は劣りますが、デカンタージュ前後で別物のようなワインになることも多く、必要に応じて行った方が良いです。

お店にもよりますが、ある程度繁盛している店であれば、ソムリエは注文があるたびに同じ銘柄のワインをテイスティングすることになります。

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直近で提供した同じのワインの熟成度合いから考えてデカンタージュの必要性は判断できるため、わざわざテイスティングしてから考えているソムリエは多くないように思います。

お客様にもテイスティングをお願いする目的

前述したように、ソムリエはワインの状態についてボトルやコルク、ワインの外観・香り・味を細かくチェックします。

そして問題なければ「自分としてはこのワインを出しても問題ないと考えているため、実際にサービスを開始する前にお客様の合意を得たい」となります。

よって、「ワインは素晴らしい状態です」などと自分の評価をコメントした後、ホストテイスティングを求めるのです。

自分にテイスティングをお願いされたら

グラスに入ったロゼワイン

「イメージと違う」は基本NG

ここまでで解説したようにホストテイスティングは状態を確認するのが目的です。

そのため、「思っていた味と違う」「(状態は良好だけど)おいしくないので取り替えてほしい」という理由で交換をお願いするのは、基本的にはNGです。

まれにこのような理由でも交換に応じてくれるお店はありますが、お店側からすれば悪評につなげたくないから対応している場合がほとんどで、かなり印象は悪くなるでしょう。

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厳しいことを言うようですが、「イメージと違った」というのは自分の知識不足が原因であり、それをお店側に対応してもらいたいと考えるのはちょっと横柄だと思っておいた方が良いでしょう。

ワインの感想を言う場ではない

ホストテイスティングのあと、ソムリエに「いかがですか?」と聞かれますが、この時にワインの味わいに関する感想(例「樽の香りが優雅に香り、非常にエレガントで・・・」のような)コメントをしてはいけません。

ここで質問されているのは、ここまでに解説してきたワインの状態が健全であるかどうかに対してであり、ワインの味わいについてではありません

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そのため、「大丈夫です」や「素晴らしい状態ですね」などのように一言返してから、「サーブをお願いします」と促すと非常にスマートです。

ホストテイスティングをそつなくこなすために

誰がテイスティングするのか知っておこう

 ホストテイスティングはその目的上、極まれに劣化ワインを飲むことになります。

よって、言い方は悪いですが「毒見」のような位置づけになります

そのため、基本的にはその会を催したホストが行います

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会社の飲み会であれば幹事が行うのが良いでしょう。

ホストがはっきりとしない場合は、その場にいる中で最も立場が低い人が行います

このような背景から、ソムリエはその場にいる一番立場が下と思われる人にテイスティングをお願いする傾向があります。

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もしもホストテイスティングの目的を知らない上司から「なぜ自分より先に部下が飲むのか」と言われた場合は、「尊敬するあなたに毒見をさせるわけにはいけませんから・・・」のように返しておけば、問題なくクリアできるでしょう。 

確認する順序について知っておこう

 みんなの前で急にホストテイスティングをお願いされたら緊張しますよね。

 確認する順序を知っておき、慌てないようにしておきましょう。

  1. グラスを少し傾け、ワインにコルクやオリ(黒っぽい沈殿)が浮いていないかチェック
  2. 2~3回回してから鼻をグラスに突っ込み、ブショネがしないかチェック
  3. ワインを口に含んで2~3秒かけて舌全体に触れさせ、お酢みたいな味がしないかチェック

 これだけやっておけば大丈夫です。

 2のグラスを回す行為(スワリング)について、実際にワインを楽しむ際にいきなりクルクル回すのは良くないですが、ホストテイスティングではやってOKです。

 ホストテイスティングではワインに悪い香りがついていないかをチェックするのが目的のため、できるだけ香りを立たせた方が良いのです。

 普通に飲むときに回すのが良くない理由は以下の記事をお読みください。

テイスティングにかける時間について知っておこう

テイスティングを求められたら、前述した3項目を確認しますが、どのくらいの時間でやれば良いでしょうか?

これはざっくり30秒くらいをイメージしてください。

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確認項目が多くハードルが高いように思いますが、ここで時間をかけすぎると周りからの目が厳しいです。

ホストテイスティングについて 困ったらこれだけやればOK!

ここまででホストテイスティングについて解説してきましたが、こんな声が聞こえてきそうです。

ブショネを判別しろと言われても、嗅いだこともないしわからない!

なんか変なにおいがするように思っても、そのワインの特徴かもしれないし・・・

変に疑ってクレーマーと思われたらいやだ

ビギナーの人は、このような気持ちになってしまっても仕方ないと思います。

そこで、どんな初心者でもスマートにホストテイスティングを乗り切れる魔法の言葉をご紹介します

それは

ソムリエにお任せします!

です。

ここまでの解説は何だったんだと思われそうですが、ホストティスティングの目的を知った今であれば、この言葉は「自分にはワインの状態を判断することはできないので、ソムリエの判断にお任せします。」という意味であるのがわかっていただけるのではないでしょうか。

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困ったらその店のソムリエに任せる。お客さんなので、最後はこれで良いと思います。

お客様のワインに関する課題解決のためにソムリエがいるのですから

ホストテイスティングについて まとめ

ホストテイスティングについてまとめます。

ワインの状態を確認するのが目的

サービスを開始する前に、双方で合意を形成する

不安だったら「ソムリエにお任せします」でOK

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ソムリエにうまく頼りながら、気軽においしいワインライフを楽しみましょう!

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