ワインの面倒であり面白いところでもあるのが、飲むときの温度によって味わいや香りがガラッと変わるところ。
冷やしすぎたり温めすぎたりすると、ワインの味や香りが損なわれてしまいます。
一般的に「白は冷やして、赤は常温で」と言いますが、どのくらい冷やせば(温めれば)よいのでしょうか?
白は6-14℃、赤は14-22℃の間がおすすめ!
タイプによって結構変わるよ!
今回はワインの飲み頃温度は何℃なのか?また冷やしすぎるとどうしてダメなのか?を解説します。
しかし大前提として、「あなたがおいしいと思える温度が正解」です!
本記事の内容を参考に、料理や気分に合わせて少しずつ変化させてみてくださいね。
これといった決まりはなく、好みの温度で飲めばよい
まずワインの飲み頃温度には、これといった決まりはありません。温度は個人の好みや飲むシーンによって変わるからです。
ざっくりと次の傾向だけ押さえておこう!
温度を | 上げる | 下げる |
酸味 | 弱くなる | 強くなる |
渋み | 弱くなる | 強くなる |
香り | 強くなる | 弱くなる |
ワインを冷やすと酸味と渋みが際立ち、シャキッとした印象のワインになるが、香りは控えめになるのでゴージャス感はなくなります。
逆にワインを温めると香りが立ち渋みもマイルドになって芳醇な印象になるが、酸味や渋みが弱まるのでややボケた印象になります。
例えば、ワインの香りが料理の邪魔をする場合には冷やすと合う場合もあれば、渋くて飲みにくい場合はやや温めると飲みやすくなることがあります。
さらに、料理との相性も大事!
食事との相性も考慮すると、魚介類やサラダなどのさっぱりした料理には冷たいワインが合います。逆に、肉料理やチーズなどのこってりした料理には常温のワインが合います。
したがって、ワインの温度は自分の好みや飲むシーンに合わせて調整するのが一番です。
ただし、冷やしすぎたり温めすぎたりすると、ワインの味や香りが損なわれてしまうことも事実です。
そこで、次に白ワインと赤ワインのタイプ別に、おすすめの温度を紹介します。
白ワインの飲み頃温度をタイプ別に紹介
白ワインは、一般的には、赤ワインよりも低い温度で飲むのがおすすめです。
しかし白ワインにも、辛口や甘口、軽やかなものや重厚なものなどさまざまなタイプがあり、白ワインの最適な温度もタイプによって異なります。
ここでは白ワインの主なタイプと、それぞれのおすすめの温度を紹介します。
甘口で軽やかな白ワインは6~8℃(冷蔵庫で4時間くらい)
例:ゲヴェルツトラミネール種やモスカート種を使ったワイン
これらのワインは酸味が少ないため、温度を低くして甘みを程よく抑えてあげると後味がすっきりに。
一方で冷やしすぎると甘みが隠れてしまい、味が薄くなってしまうことがあります。
逆に温めすぎると甘みが強くなりすぎ、しつこくなってしまいます。
そのため6℃~8℃の間が最適な温度とされ、この温度なら甘みと果実味が爽やかに感じられます。
辛口で軽やかな白ワインは8~10℃(冷蔵庫で2時間くらい)
例:ソーヴィニヨン・ブラン種、リースリング種、木樽熟成していないシャルドネ種(シャブリなど)
このタイプの白ワインは酸味やミネラル感が特徴。
冷やしすぎると酸味が強くなりすぎたり、香りが感じられなくなってしまいます。
逆に温めすぎると、酸味が弱まってフレッシュさが失われてしまいます。
そのため、8℃~10℃の間が最適で、酸味とミネラル感がバランスよく感じられます。
10~12℃辛口で重厚な白ワイン(冷蔵庫で1時間くらい)
例:木樽で熟成したシャルドネ種
このタイプの白ワインは、樽熟成や発酵によってバニラやバターなどの香りが加わります。
このような香りは冷やすことで感じにくくなるため、せっかく芳醇なワインなのに味わいが深まらないことがあります。
逆に温めすぎると、アルコール感が強くなりすぎてバランスが崩れてしまいます。
そのため、10℃~12℃の間が最適で、香りと味わいが豊かに感じられます。
赤ワインの飲み頃温度をタイプ別に紹介
赤ワインは、一般的には白ワインよりも高い温度で飲むのがおすすめです。
しかし赤ワインにも軽めや重め、果実味やタンニンの強さなど、さまざまなタイプがあります。
そのため、赤ワインの最適な温度もタイプによって異なります。
赤ワインの主なタイプごとに、おすすめの温度を紹介していきます。
赤ワインはボディで考えると、温度の間隔が掴みやすいです。
14~18℃ 色が淡い軽やかなワイン(ライト~ミディアムボディ)
例:ピノ・ノワール種、ガメイ種(ボジョレー・ヌーボーも)
このタイプの赤ワインは赤い果実の香りやバラのような花の香り、繊細な酸味と控えめな渋みが特徴です。
繊細な香りを持つため、冷やしすぎると繊細な果実感が引き立たなくなってしまうことがあります。
逆に温めすぎると酸味が弱く感じられてしまい、ミディアムボディ特有のフレッシュさが失われ、どこかぼやけた印象のワインとなります。
赤ワインとしては少し冷やしめの、14-18℃がバランスが良くなります。
16~20℃ 色が濃く重めのワイン(フルボディ)
例:カベルネ・ソーヴィニヨン種、メルロー種
このタイプの赤ワインはブルーベリーやカシスのような果実の香りとふわりとしたすみれの花の香り、しっかりとした渋みと酸味が特徴です。
もともと花の香りを感じにくいため、冷やしすぎると香りが隠れてしまい、単調な果実の香りになってしまいます。
また渋みと酸味が強調されて、やや攻撃的な口当たりに。
逆に温めすぎると香りは立つものの酸味や渋みによる引き締め感がなくなり、ぼやけた味わいになってしまいます。
少し高めな16-20℃で、芳醇な香りを楽しみましょう。
特に高級なワインや年代物のワインでは、20-22℃程度にしても良いでしょう。
温度によるワインの味わいの変化 まとめ
温度の上げ下げによる影響をまとめます。
温度を | 上げる | 下げる |
酸味 | 弱くなる | 強くなる |
渋み | 弱くなる | 強くなる |
香り | 強くなる | 弱くなる |
飲む前から最適な温度に合わせるのはプロレベルの技なので、割り切って白ワインなら冷蔵庫2時間、赤ワインなら室温にしてしまっても良いと思います。
そのうえで、上記の表を参考にしながら好みに合わせて温度を変えてみてください。
魚介と合わせるときは低め、肉料理と合わせるときは高め にするのもおすすめ!
最終的には好みなので、少しずつ温度を変えながら楽しんでみてくださいね。
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