ワインのアルコール度数はどれくらい?種類ごとの差も解説!

コラム
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ワインのアルコール度数は11~14.5%のものが多いです。

また健康診断で飲酒習慣について聞かれるときは、ワインのアルコール度数は12%として計算されます。

しかし最近のワインは、地球温暖化の影響でどんどんアルコール度数が高くなる傾向に。

温暖化によって原料ブドウが成熟しやすくなり、アルコールの原料となるブドウ糖が増えるためです。

今回はワインのアルコール度数について、もう少し掘り下げて解説します。

ワインの種類によってアルコール度数が違う

ワインはスティルワイン(赤・白など)、スパークリングワイン、酒精強化ワイン、フレーバードワインの4種類に分かれます。

このうち酒精強化ワインなどは90%程度のアルコールを添加して作ることも多く、アルコール度数としては高くなりがち。

だいたいのアルコール度数を表にまとめます。

ワインの種類特徴典型的なアルコール度数
スティルワイン発泡なし8-15%
スパークリングワイン発泡あり10-13%
酒精強化ワインアルコール追加15-22%
フレーバードワイン香料追加15-22%

アルコール度数が増減する理由を簡単に説明するため、今回は基本となるスティルワイン(赤・白・ロゼ・オレンジ)について解説していきます。

アルコール度数は原料ブドウの成熟度で決まる

そもそも、アルコール(エタノール)はブドウの中にあるブドウ糖を酵母が食べることで発酵して作られます。

つまり、原料ブドウの糖分が多ければ多いほど、アルコール度数は高くなります。

糖分の量に関わる要因として、例えば以下のものがあります。

  • 原料ブドウの成熟度
  • 原料ブドウの濃縮度

順番に見ていきましょう。

原料ブドウの成熟度

食用ブドウと違い、ワインの原料になるブドウは完熟する前に収穫します。

これは完熟すると酸味が少なくなりすぎ、ワインが美味しくなくなってしまうから。

一方で食用ブドウは甘い方が好まれるため、しっかり完熟させます。

しかし一部のワインでは、完熟させてから収穫することがあります。

この場合、ブドウ中に含まれるブドウ糖は通常のワイン用ブドウより多くなるため、それを原料にして作られるアルコールも多くなります。

このように完熟させたブドウを用いる場合、糖分を全てアルコールにすると度数が高くなりすぎます。

そのため、一部をアルコールにしつつ残りを糖分のまま残しておき、甘口のワインに仕上げることが多いです。

さらに近年では地球温暖化の影響で世界的に気温が上がっているため、これまでよりブドウが成熟しやすい環境になっています。

この事から、世界中でアルコール度数は高くなる傾向になってきています。

昔は普通にワインを作ると12%くらいになっていた産地でも、近年は13%になるなど、温暖化の影響は深刻です。

コットン
コットン

このままいくと、ワインは平均で15%という時代になってしまうのかもしれません。

原料ブドウの濃縮

もうひとつの大きな要素が原料ブドウの濃縮。

ブドウを収穫した後に人工的に濃縮する方法と、自然の力で濃縮させる方法があります。

人工的に濃縮する方法

陰干しする

収穫後のブドウを陰干しするなどして水分を飛ばし、ブドウのエキスを濃縮することで、糖分濃度を高めます。

この方法で作られたワインは、普通のワインに比べてアルコールの原料となる糖分の濃度が高いため、度数が高くなる傾向に。

イタリアの高級ワイン、アマローネはこの手法で作られる有名なワインです。

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凍らせてから水分だけを除去する

陰干しではなく、ブドウを凍結させて水分を氷にしてからまとめて除去する「クリオエクストラクション」という方法もあります。

この方法を使うと陰干しする以上に糖分を高めることができ、高いアルコール度数でありつつ甘口なワインになります。

かなり甘口のデザートワインを作る際に使われる手法です。

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自然の力で濃縮する方法

貴腐ワイン、アイスワインなどが有名です。

貴腐ワインとは、貴腐菌と呼ばれる菌が完熟ブドウに付着し、水分を奪い取ってミイラ化させた「貴腐ブドウ」を使って作られるワイン。

水分が非常に少なく糖度が高いブドウを使うため、高いアルコール度数と糖度を両立したワインが出来上がります。

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またアイスワインとは、樹上で凍ったブドウを使って作られるワインのこと。

前述した「クリオ・エクストラクション」の天然バージョンと考えてください。

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アルコール度数はワインの甘さに応じて決まる

これまでは、ブドウの成熟度が高いほどアルコール度数は高くなる傾向と解説しました。

しかし、厳密にはワインの甘口・辛口によって度数は大きく異なります。

詳しくは以下の記事にまとめていますので、ここでは概要を解説します。

辛口ワインのアルコール度数は11~14.5%が一般的

辛口のワインの場合、原料ブドウに含まれるブドウ糖は全てアルコールに変わります。

イメージとして、100のブドウ糖をもつブドウからは100のアルコールを持つワインが、120のブドウ糖をもつブドウからは120のアルコールをもつワインができます。

この場合、元々のブドウが持っているブドウ糖の量の差は、そのままアルコール度数の差となって現れます。

コットン
コットン

品種にもよるけど、辛口ワインの場合は11~14.5%くらいが一般的!

ただしブドウ糖が多いブドウを使った場合や、原料ブドウを干してから作る場合などは、18%を超える度数のワインも作られます。

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甘口ワインのアルコール度数は6~10%が一般的

甘口ワインは辛口よりも度数が低くなります。

これは、例えば100のブドウ糖をもつブドウから、50のアルコールと50のブドウ糖をもつワインを作るから。

コットン
コットン

ブドウ糖を残しておくことで甘味が出るよ!

元々のブドウ糖を全てアルコールにすると辛口になってしまうため、同じブドウを使うなら甘口の方が確実に低い度数になります。

よって、甘口ワインの度数はだいたい6~10%程度。

前述したように原料ブドウの濃縮を行うことで、辛口と変わらないアルコール度数をもちながらも、しっかり甘い貴腐ワインなども存在します。

こういったワインは原料にするブドウの糖度が非常に高いため、アルコール度数を上げながらも甘口を作ることができるのです。

いかがでしたか?

お酒を飲むうえで非常に気になるアルコール度数。

お酒に弱い方も、度数の低い甘口ワインを選ぶなどして、ぜひワインを楽しんでみてくださいね。

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