【ソムリエ試験】ネッビオーロを当てる方法と二次試験模範回答

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ソムリエ・ワインエキスパート資格の二次試験はブラインドテイスティング。

基本的には「きちんとテイスティングコメントを書く能力があるか?」を確認する試験なので、品種・生産地は正解しなくても受かります。

しかし近年は受験者のレベルも上がり、できれば正解しておきたいのも事実。

そこで、どうやってブラインドで品種と産地を当てるか、具体的なメソッドを解説します。

コットン
コットン

テイスティングの行程ごとに、ワインエキスパートの思考方法を解説していくよ!

今回は「ネッビオーロ」について解説します。

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味覚・嗅覚は人によって差があるため、今回の解説が全員に当てはまるわけではありませんが、考える道筋として参考にしてください。

↓他品種のブラインドテイスティング解説はこちら

赤ワイン白ワイン
ピノ・ノワール
カベルネ・ソーヴィニヨン
テンプラニーリョ
シラー
ネッビオーロ
ソーヴィニヨン・ブラン
シャルドネ(アメリカ)
甲州
リースリング
シャルドネ

ネッビオーロの基本情報

出典:https://www.adv.gr.jp/blog/kaisetsu-nebbiolo/
名称スパンナ、キアヴェンナスカ など
外観淡いラズベリーレッド
香り赤系果実、干しイチジク、など
味わい力強い酸味とタンニン
見分けるポイント外観・味わい

イタリアを代表する土着品種。

エクステンデット・マセレーションをしてから熟成させるクラシックなスタイルと、短期マセレーションをして早飲みできるモダンなタイプのワインがあります。

エクステンデット・マセレーションって?

マセレーション(醸し)を通常以上に長く行う方法。これによって種子や果皮からの酸やタンニンが多く抽出でき、長期熟成に向くワインになる。逆に色素成分については重合および果皮への再吸着により、ワインの液中濃度が下がるため淡い色合いになることが特徴。

試験に出るのは、エクステンデット・マセレーションを行ったクラシックなもの。

そのため酸味と渋みが強く、試験に出る品種の中では最強クラスです。

コットン
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初めて飲むと「うわっ!」と思うくらい渋いよ!

近年ではオーストラリアなどでもネッビオーロを作っていますが、試験に出るのはイタリアのものです。

ネッビオーロをブラインドで当てる方法

外観で気づき、香りで補足情報を得、味わいで断定するという流れです。

ネッビオーロは特徴的な酸味とタンニンがあるため、試験に出る品種の中でも比較的わかりやすい部類に入ります。

そのため、イタリアを当てるまではある程度簡単。

しかし、正解を導くにあたり最も障害となるのがサンジョヴェーゼ。

ネッビオーロとサンジョヴェーゼは「イタリアのソムリエでも間違える」と言われるほどに見分けが難しい品種だからです。

「産地まで当たればOK」と考え、品種は外観情報から判断するようにします。

ネッビオーロとサンジョヴェーゼはテイスティングコメントも酷似しているため、品種が間違っていても合格圏に入れるため、問題ありません。

外観で選択肢を挙げる

まずは外観を確認します。

ざっくり①グラスの向こうがしっかり透けて見えるレベルで明るく、赤みを帯びた色調か?②グラスの向こうが見えにくく、紫みを帯びた色調か? 捉えましょう。

ネッビオーロの場合、外観は①になります。

この時点では、まだ下記のような品種が候補として残っています。非常に多いですね。

候補となる品種:ピノ・ノワール、ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ、カベルネ・フラン、メルロー(日本)、ガメイ

そこで、さらに外観をよく確認していきます。

冒頭にも述べたように、試験に出るネッビオーロは、長期熟成させるクラシックなタイプ。

そのためネッビオーロの場合、エッジの部分は熟成によって茶色がかっています。

一方、ピノ・ノワールなどは多くの場合熟成していないものが出題されます。

よってこの時点で、本命は下記のように絞れます。

本命の品種:ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ

一応候補となる品種:ピノ・ノワール、カベルネ・フラン、メルロー(日本)、ガメイ

香りで補足情報を得る

ネッビオーロに特徴的なのは熟成による干しイチジクの香り。

慣れると正確にとらえられるようになりますが、二次試験の受験生にとってはやや難しい香りと言えます。

可能であれば実際に干しイチジクを買って嗅いでもらうとわかりやすいですが、他のテイスティング練習の方が優先度が高いものは多いです。

よってこの時点では補足として干しイチジクを確認するものの、品種を絞り込むことはせず、外観で挙げた品種をそのまま候補に残しておきます。

本命の品種:ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ

一応候補となる品種:ピノ・ノワール、カベルネ・フラン、メルロー(日本)、ガメイ

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味わいで二択まで絞る

味わいの段階で意識するのは「酸味とタンニンが強いか?」です。

繰り返し述べているように、ネッビオーロは試験に出る品種の中でも最強クラスの酸味とタンニンを持つ品種。

つまり酸味とタンニンに着目して、それらが非常に強ければ、ネッビオーロやサンジョヴェーゼと考えます。

コットン
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タンニンは歯茎がどのくらいギシギシするかで判断するよ!

酸味は唾液の出る量を目安にしよう!

日頃から練習の際に、しっかり注意しておきましょう。

ただしこの時点でも、サンジョヴェーゼである可能性は残ります。

候補となる品種:ネッビオーロ、サンジョヴェーゼ

外観の濃さで判断する

ここまで一連の流れで絞ってきましたが、ネッビオーロとサンジョヴェーゼは最後まで残ります。

そのため、この2品種については「生産国も一緒だし、間違えてもいいや!」という感覚で回答します。

正答率を高めるために参考になるのは外観情報。

ネッビオーロは淡いルビー/ラズベリーレッドですが、サンジョヴェーゼはルビーの可能性もあればガーネットの可能性もあります。

コットン
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色の濃さはネッビオーロ ≦ サンジョヴェーゼ!

また、両者ともエッジの茶色は存在しているため差が出ません。

やや心もとないですが、ルビー寄りならネッビオーロ、ガーネット寄りならサンジョヴェーゼと回答するのが無難です。

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ネッビオーロの練習に適したワイン

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ネッビオーロの練習に適しているのはバルバレスコ。

価格・数量的に二次試験に準備しやすく、熟成年数も程よいため、テイスティングに活用される可能性が最も高いです。

余裕がある方はバローロも合わせて訓練すると、さらに理解が深まります。

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別の原産地呼称で、ランゲのネッビオーロもありますが、こちらは練習にはオススメできません。

ランゲではエクステンデット・マセレーションを行わないモダンなスタイルのネッビオーロも多く、間違えてそちらを購入すると無駄になってしまうためです。

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ブラインドテイスティングを鍛える方法

ブラインドテイスティングを鍛える方法は、なんといってもブラインドテイスティングをたくさん行うこと。

ブラインドで飲むことにより、少しでもワインから情報を得ようとするクセをつけましょう。

たくさんの種類をブラインドで練習するには、ヴノテラスのブラインドセットが最もコスパが良かったです。

少し値は張りますが、回答用紙や講師の模範解答も届き、本番さながらのテイスティングをすることができます。

ただしブラインド小瓶セットは二次試験が近くならないと販売されません。

それまでの間は下記のような品種別ワインのハーフボトルセットをお勧めします。

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ネッビオーロの模範回答

最後に、ネッビオーロと思われるワインが出題された場合に選ぶべき、オススメの回答をご紹介します。

次に示す項目を選んでおけばネッビオーロの場合はほぼ全て正解になり、他の品種であったとしても、それなりに得点が狙えます。

外観のおすすめ選択肢

項目表現
清澄度澄んだ
輝き輝きのある
色調オレンジがかった、ルビー/ラズベリーレッド
濃淡やや明るい
粘性やや強い
印象若い状態を抜けた、濃縮感が強い

香りのおすすめ選択肢

項目選択肢
第一印象開いている、強い
特徴果実:ラズベリー、ブルーベリー
花:スミレ、バラ、ゼラニウム
香辛料 他:シナモン、ナツメグ、なめし皮
印象酸化熟成の段階にある、木樽からのニュアンス

味わいのおすすめ選択肢

項目選択肢
アタック強い
甘みソフトな
酸味豊かな
タンニン力強い
バランス骨格のしっかりした、力強い
アルコールやや強め
余韻やや長い

総合評価のおすすめ選択肢

項目選択肢
評価成熟度が高く、豊か
適正温度17~20℃
グラス中庸
デカンタージュ必要なし
収穫年5年前

ブラインドで品種を当てるには、テイスティングで答えにたどり着くための型を持っておくことが重要です。

今回の解説を読みながら、ネッビオーロを飲んでみてくださいね。

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