「ワインを飲むと頭痛になる」と聞いたことはありませんか?
確かにワインの中に含まれている成分が原因で頭痛になる人はいますが、「添加物のせい」などは誤りです。
ではワインにはどのような成分が含まれていて、なぜ頭痛を引き起こすのでしょうか?
実は、アルコール、チラミン、ヒスタミンという3つの成分が影響しています。
今回はワインエキスパートであり、片頭痛の持病を持っている私が、ワインの頭痛の原因と対策について解説します。
医学の専門家ではないけれど、ワインと頭痛についてはかなり調べているよ!
ワインの頭痛の原因は?
ワインの頭痛の原因は、主に以下の3つに分けられます。
- アルコール
- チラミン
- ヒスタミン
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
アルコール
アルコールは、ワインに限らずお酒の中に含まれる最も一般的な頭痛の原因で、血管を拡張させて血流を増やすことで頭部に圧力をかけます。
またアルコールは利尿作用があり、水分を失うことで脱水症状を引き起こし、頭痛のほかにもめまいや吐き気などの症状をもたらします。
さらにアルコールは睡眠の質を低下させることで、翌日の頭痛のリスクを高めます。
アルコールによる頭痛の対策としては、以下のことが挙げられます。
これらの対策はワイン以外のお酒全般に有効なので、是非覚えておいてください。
チラミン
チラミンとは、血管を拡張させる作用のあるアミノ酸のこと。
チーズ・チョコレートなどに多く含まれていますが、「マロラクティック発酵(M.L.F.)」という発酵方法を用いたワインにも存在します。
ほとんどの赤ワインではM.L.F.を行いますので、赤ワインにはチラミンが入っていると考えておけば良いでしょう。
チラミンによる頭痛の場合、チラミンが入っている食品を避けるのが改善策になります。
チラミンは他の食品にも含まれているので、自分がどんな食品を食べた後に頭痛がするのかチェックするようにしましょう。
なおチラミンが入っている食品でも、体質によって食べられるものと食べられないものがあるようです。
私はチョコと赤ワインはセーフ、チーズはアウトな体質です!
チーズをつまみに赤ワインを飲みたかった・・・(泣)
ヒスタミン
先ほど紹介したチラミンと似ていますが、ヒスタミンもワインに含まれるアミノ酸の一種で、赤ワインに多く含まれています。
アレルギー反応の際に放出される物質であり、血管を拡張させて炎症を起こします。
ヒスタミンに対して過敏な人は、ワインを飲むと頭痛や鼻水、発疹などのアレルギー症状を起こすことがあります。
ヒスタミンの分解には酵素の一種であるジアミンオキシダーゼ(DAO)が必要ですが、人によってはジアミンオキシダーゼDAOの活性が低いために、ヒスタミンが体内に蓄積されてしまいます。
ヒスタミンによる頭痛の対策としては、以下のことが挙げられます。
ヒスタミンに対する感受性は個人差が大きいので、自分の体の反応をよく観察することが大切です。
重篤な症状が出る場合、ヒスタミンを含む食品は避けよう!
「ワインの頭痛は添加剤で起きる」は誤り
ワインの頭痛の原因について、よく言われることの一つに「ワインに添加される亜硫酸塩や硫酸塩などの化学物質が頭痛を引き起こす」というものがあります。
しかしこれは科学的に根拠のない誤りです。
亜硫酸塩や硫酸塩は、ワインの酸化や細菌の繁殖を防ぐためにほとんどのワインに微量に添加されています。
しかしこれらの添加物の量は、頭痛を引き起こすほどのものではありません。
ワインは他の食品と比べても、添加物の量は多くないよ!
実際にワインに含まれる亜硫酸塩や硫酸塩の量は、ドライフルーツやチーズなどの食品に含まれる量よりもはるかに少ないです。
また亜硫酸塩や硫酸塩に対してアレルギー反応を示す人は、頭痛だけでなく呼吸困難やじんましんなどの重篤な症状を起こします。
したがって、ワインの頭痛は亜硫酸塩や硫酸塩などの添加物ではなく、前述したアルコール、チラミン、ヒスタミンなどの成分によるものと考えられます。
ワインの頭痛に関する誤った情報に惑わされないようにしましょう。
ワインの成分や作用を正しく理解して、自分に合った飲み方を見つけることが大切です。
まとめ
ワインの頭痛の原因は、アルコール、チラミン、ヒスタミンの3つに分けられます。
最も確実な対策はワインを飲まないことですが、体質のせいで飲みたいものが飲めないのはつらいもの。
頭痛を引き起こす原因を見極め飲む量や種類を選ぶ、食事や水分を摂るなどして症状を緩和させれば、頭痛持ちでもワインを楽しむことはできます。
他のお酒にも言えますが、節度を持って飲みすぎないようにし、ワインを楽しんでくださいね。
大人のたしなみ!
コメント