ワインエキスパートにとって、シャンパーニュって結構詳しくない産地なのではないかと思っています。
試験に出るのは「シャンパーニュ製法」「スパークリングワインの表記」「特級畑の名前と場所」が主で、畑の特徴やテロワールについては知らなくても点数が取れてしまうからです。
しかも試験は選択式なので、特級畑の名前も適当に覚えておけば済んでしまいます。
私の場合、下記のように覚えました。
場所 | 覚え方 | 特級畑 |
コート・デ・ブラン | 「C」「O」から始まる畑と「Le」と「アヴィーズ」 | Avize Chouilly Cramant Le Mesnilsur-Oger Oger Oiry |
ヴァレ・ド・ラ・マルヌ | 「アイ」と「マルヌ(村名と同じじゃん・・・)」 | Ay Toirs-sur-Marne |
モンターニュ・ド・ランス | その他 | Ambonnay Beaumont-sur-Vesle Bouzy Louvios Mailly-Champagne Puisieulx Sillery Verznay Verzy |
今思うと恥ずかしいですが、これだけ覚えておけば一次試験の特級畑問題は満点が取れるんです。
そしてシャンパーニュは二次試験にも出ないし高額なため、ソムリエ・ワインエキスパート試験の学習期間に飲むことはありません。
つまり畑の名前を覚えておらず飲んだことが無い状態でも、ワインエキスパートになるうえでは問題ないのです。

こういうワインエキスパート、結構いるんじゃない?
しかしこんな状態では、とても人に説明できるようにはなりません。
さらに、ブラインドテイスティングのコンテストではシャンパーニュが出題されるのです。
さすがにテロワールや味わいについて学びなおさねばと思い、ヴィノテラスのブラッシュアップ講座を受講しました。
私は仕事と子育てで平日も休日も6~21時がほとんど埋まっているため、空き時間や夜に学習できるスクールでないと受けられません。
ヴィノテラスは自宅にワインが届き、動画配信で小刻みに受講できるため、私と同じ世代にはオススメできます。
2025年 ブラッシュアップ講座 |
ワインメイキング編 ボルドー編 ロワール・アルザス・ジュラ・サヴォワ編 シャンパーニュ編 ブルゴーニュ編 南フランス全域編 |
シャンパーニュの製造規定について初めて知った
シャンパーニュの製造規定については、絞る量の規定であるキュヴェとタイユくらいしか知らず、素人であった私。
講義を聞いていく中で驚いたことがありました。
それは1718年から今なお製造規定に載っている次の言葉。
黒ブドウで作る場合は、涙のように透明でなければならない。
この哲学をもとに、シャンパーニュの様々な規定が決められているとのことでした。
例えば「収穫するときに使用するカゴは、黒ブドウの果汁が溜まって着色しないように、穴の開いたものでなければならない。」のように、ビックリするくらい細かいところまで規定があるそう。
黒ブドウの色が付きすぎたときは清澄剤で除去するところもあるようです。
確かにワインの外観を確認するとき、ほとんど赤い色素が入っていないなと感じていました。
こういった清澄に関する哲学があったのだと驚かされました。
手作りシャンパーニュの方がおいしい!わけではない
シャンパーニュ製法について教本で学習するうち、やはり特徴的なのは瓶内二次発酵の後のルミュアージュ(動瓶)。
ピュピトルという、穴の開いた木の板にワインを逆さに差しこみ、実に1~2か月もの間クルクル回す工程です。

ゆっくりと時間をかけ、毎日人の手で優しく動かすからおいしくなりそう。
でもこの工程、とんでもない人件費が掛かっています。
一方、ジャイロパレットと呼ばれるシステムを使えば、この工程が1週間で完了します。しかも全自動で。
さらに、先ほどのルミュアージュと味わいの差はありません。
とすると、手作りだからおいしいというのは本当にただのイメージ戦略であることがわかります。
これは一例ですが、「長い時間をかけて手作りで行った方がおいしくなる」と盲目的に信じている人は多いのではないでしょうか?
でも実際には、機械で生産しても味わいに差はないのです。
このようなリアルな話はソムリエ教本には載っていないため、講義を受けないと間違えてしまいそうです。
シャンパーニュ特級畑の格について初めて知った
シャンパーニュの中でも最高峰に位置するのが特級畑です。
これらについて、私は冒頭に述べた程度の知識しかありませんでした。
それぞれの名前もちゃんと覚えていないので、当然畑ごとの味わいの違いなど知る由もありません。
ここについても、ブラッシュアップ講座では「覚えておくべき白ブドウ(or黒ブドウ)の特級畑」とまとめて教えてくれました。
特に知っておくべきなのがシャルドネ最高峰の「クラマン」とピノ・ノワール最高峰の「アイ」。
この2つだけは別格で、是非飲んでおくべきとのことでした。


受講した感想
今回もヴィノテラスのブラッシュアップ講座を受講して、資格試験レベルでは得られない知識をたくさん得ることができました。
特にシャンパーニュは高価なこともあり、飲む機会が限られていました。
また、ワイナリーに着目することはあっても、テロワールに着目して飲むということもしてきませんでした。
今回の講座を受講したことで、シャンパーニュについて新たな切り口で考えることができるようになりました。

子育てで忙しかったけれど、会社のお昼休憩などに小分け学習できたよ!
ヴィノテラス ブラッシュアップ講座を簡単に紹介
ヴィノテラスワインスクールが提供しているブラッシュアップ講座。
ヴィノテラスワインスクールが提供している学習順序の3番目にあたり、ソムリエ・ワインエキスパート有資格者やWSET2以上を対象にしています。

今回は2025年3回目の講義であるロワール・アルザス・ジュラ・サヴォワ編を受けたので、講義の内容をご紹介します。
かなりカバー範囲が広いですが、講師のヤン先生が重要なポイントに絞って解説してくれるため、深い理解をすることができました!
アーカイブ動画で学習すれば負担もなく学習できるのでおすすめでした。
2025年 ブラッシュアップ講座 |
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