会食する際に必ず気になるのがマナー。その中でも、ワイングラスの持ち方は正解がわかりにくいです。
中には「こうやって持つんだよ」と言ってくる人もおり、ストレスに感じませんか?
たとえば以前テレビ番組で、上沼恵美子さんがワイングラスの底の方を持って「ワイングラスってこう持つんですよ。」と話していました。
それも正解のひとつではあるのですが、実はワイングラスはほとんどどこを持っても正解なのです。
会食シーンごとでおすすめの持ち方も紹介していますので、参考にしてくださいね。
グラスの持ち方以外に少し気にするポイントも紹介しているため、この記事を読めば不安なく会食できるようになりますよ♪
ワイングラスの持ち方 結論
ワイングラスを持つとき、思い付くのは以下のような持ち方でしょうか。
・グラスの脚の部分を持つ
・グラスのボウル(ワインを入れるところを持つ)
・ワインの底の平べったい所を持つ
結論、マナー的には全部OKです。
この後詳しく解説します。
ちなみにグラスの上端の口をつけるところを手で持つのはNGです。
(単純に衛生上良くないです。)
ワイングラス 各部位の名前
ワイングラスは上から順に
リム・・・口をつけるところ
ボウル・・・ワインを入れるところ
ステム・・・ボウルの下にある脚のようになっているところ
プレート・・・ステムの下にあるグラスの土台
となっています。
なんとなく言葉を聞くとイメージできるかと思いますが、リムはちょっと難しいですね。
グラスの形状については別記事に詳しくまとめていますので、読んでみてくださいね。
ワイングラス 持ち方の特徴
いずれも正解ですが、持ち方ごとのメリットを見ていきましょう。
ステムを持つとき
おすすめ度★★★
もっともスタンダードな持ち方だと思います。ステムを持っているとワインに手の温度が伝わらないため、ゆっくりとワインが常温になっていき、香りが広がることができます。
ワインは温度に敏感で、2℃変わると別の味わいになります。
そのため提供された温度を極力キープすると、美味しく飲める時間が長くなります。
提供するお店が温度に気を付けている場合に限ります。
特に、温度を少し変えると一気にバランスが崩れるワインもあるため、この持ち方は有効です。
また、一緒に飲んでいる相手から突っ込まれにくいというメリットもあると思っています。
後述するボウルを持つとき方法だと「それは良くないよ」と突っ込まれることがありますし、プレートを持つと「ワインに詳しい人はそうやって持つんだね」と言われることがあります。
ステムを持つ場合はこのような会話は生まれないため、とりあえずステムを持っておけば間違いないです。
ちなみにステムを持つ場合は、できるだけ下側を持つようにすると優雅に見えますので、機会があれば試してみてください。
ボウルの部分を持つとき
おすすめ度★★
ボウルを手で包むように持ちますので、体温がワインに伝わり、香り成分がたくさん揮発するようになります。
ワインの温度が冷たすぎると思ったときにこの持ち方をすると、知っている人からすればワイン通に認定されます。
私は真剣にテイスティングする際はこの持ち方をすることが多いです。
また、手でしっかりと持ちますので、ワインをこぼしにくくなるメリットもあります。
有名な例では、オバマ元大統領が立食パーティの際、万が一にも誰かにワインをかけないようにこの持ち方をしていたという話があります。
立食パーティの際はこの持ち方をしていると、話のネタになるかもしれませんね。
グラスのプレートを持つとき
おすすめ度★★
プレートの部分を持つ持ち方です。
写真とは違いますが、人差し指と親指で、プレートの部分しか持たない場合もあります。
この方法のメリットとして、スワリングのしやすさが挙げられます。
スワリングとは、ワインをクルクル回すことです。
やってみるとわかるのですが、この持ち方をしてゆっくりと回すと、スワリング動作がスムーズにできます。
ソファに座ってこの持ち方でスワリングしていると、とても優雅に見えます。
反対に、重心が高くなるので慣れないうちはグラグラして危ないのが欠点です。
座っているときなら良いですが、立食パーティでこの持ち方をしているとリスクがあるため、やめておくのが無難です。
ワイングラスの持ち方以外に気を付けるポイント
持ち方としては、紹介した中ではどの方法も問題ありませんでした。
であればワイングラスは何をやっても良いのでしょうか?
実は、持ち方以外にNG(とまではいかないけど、やめておいた方が良い行為)は確かにあります。
スワリングする方向
スワリングする方向は、右手で持つ場合は反時計回り、左手で持つ場合は時計回りにしましょう。
万が一こぼしてしまった場合に、この方向であれば相手にワインをかける恐れが少ないと言われています。
この方向を意識するだけで、ちゃんと知っているように思われますので意識しておきましょう。
スワリングの回数
何回もくるくる回す方がいますが、よっぽどの事がなければゆっくり2~3回回せばOKです。
まずは香りを楽しみ、少し香りが薄れてきたと思ったら、スワリングして香り成分を立たせてあげましょう。
スワリングのタイミング
ビギナーあるあるなのですが、グラスに注がれたあと1回も香りを嗅がずにスワリングするのはNGとなります。
ワインはグラスに注がれた状態がベストであることが多く、特にソムリエのいる店では、お客様に提供する瞬間にワインのピークを持っていくため、前日からコルクを抜いたりする場合もあります。
こういったワインをグラスに注いでもらった後、香りを一度も嗅がずにクルクル回したらどうなるでしょうか?
どんどん酸素に触れてしまって、ベストだったバランスが崩れてしまいます。
あくまでもスワリングは香りが取りにくいときや香りの変化を楽しみたいときに行う動作です。
マナーという意味でも、いたずらにスワリングするのは避けましょう。
香りを嗅ぐ(香りを取る)時の所作
ルールでは無いのですが、グラスを立てたまま鼻を少し近づける程度だと、ワインのポテンシャルを十分に楽しめません。
飲むときのようにワインを傾け、鼻をグラスに入れて嗅ぐと、香りが一気に広がるのを楽しめます。
このとき、鼻がほとんどワインにつくくらいまで近づけてOKです。
私は最初の方、やりすぎて鼻にワインがちょっとついちゃうことがありました。
むせなければOKです。
ワイングラスの持ち方を食事シーンごとに提案
ここまでで持ち方について解説してきましたが、食事シーンごとでどういう持ち方をするか、おすすめを紹介します。
仲の良い友人と食事するとき
基本的にどの持ち方でもOKです。プレートを持ったりボウルを持ったりして相手から突っ込まれても、それはそれで会話のネタになります。
初対面の人と食事するときや仕事での会食
無難にステムを持っておきましょう。相手がワインに詳しい人だった場合のことも考え、スワリングにも注意を払っておくのが良いです。
立食パーティー
ステムを持つか、ボウルを持ちます。会食とは異なり、立食パーティは会話が優先でワインを飲む時間が短くなるため、香り成分がしっかりとグラスにたまってくれるため、スワリングについてはしなくて良いと思います。
ワイングラスの持ち方 まとめ
ざっくりとまとめるとこんな感じです。
・持ち方はどれも間違いではないので、神経質にならないようにしよう。
・食事シーンによって無難な持ち方は変わるため、できれば気にしよう。
・持ち方以外のNGポイントに気を配っておこう。
ワインって意外とマナーにうるさくないと思っていただけたのではないでしょうか?
グラスの持ちかたに神経質にならず、まずは楽しむことからワインに触れてみてください。
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