今年もワインエキスパート試験申し込みの時期がやってきました。
CBWinesでは、一次試験、二次試験対策をいろいろやっていますので、ぜひご覧ください。
さて今回は、その中でも「二次試験に特によく出る品種」をまとめます。
まずはどのようなワインが試験に出るのか、ざっくり理解をしておきましょう。
下記品種の個別テイスティング対策はそれぞれまとめていますので、ぜひご覧ください。
ワインエキスパート二次試験の出題傾向と対策のポイント
二次試験では基本品種の特徴を正確に捉えることが重要です。
出題頻度の高い主要10品種をマスターしておけば、試験的には十分に合格が狙えます。
ワインエキスパート二次試験(テイスティング)において、無数にあるブドウ品種からランダムに出題されるわけではありません。
そもそも試験の目的は品種を当てることではなく、ワインのテイスティングフォームがしっかりと確立されているかが問われます。
それをチェックするためのワインとして、「主要な国際品種および日本の代表品種の模範的な特徴のワイン」が出てくるのです。
そのため、明確な個性を持つ特定の品種が繰り返し出題される傾向にあります。
例えばボルドー地方は世界で最も有名なワイン産地といってもよいですが、試験的にはほとんど出題されていません。
ボルドーの模範的なスタイルは複数品種のブレンドであり、単一品種の個性の表現とは両立できないからです。
出題されやすい主要品種ランキングTOP10(一覧表)
過去の出題傾向を分析した結果、シャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなど、国際的で特徴が明確な品種が上位を占めています。
| 順位 | 品種名 | 色 | 代表的な産地(出題されやすい国) | 識別のカギとなる最大の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | シャルドネ | 白 | フランス、アメリカ、オーストラリア | 産地(気候帯)と樽熟成によるスタイルの明確な違い |
| 2位 | カベルネ・ソーヴィニヨン | 赤 | フランス、アメリカ、チリ | 濃い色調、黒系果実、豊富なタンニンと骨格のある酸 |
| 3位 | ソーヴィニヨン・ブラン | 白 | ニュージーランド、フランス | グレープフルーツ香、ハーブ(青草)やパッションフルーツの香り |
| 4位 | シラー/シラーズ | 赤 | フランス、オーストラリア | 黒胡椒のスパイシーな香りと力強く凝縮した果実味 |
| 5位 | ピノ・ノワール | 赤 | フランス、ニュージーランド、アメリカ | 明るい色調、赤系果実、豊かな酸と緻密なタンニン |
| 6位 | リースリング | 白 | ドイツ、フランス(アルザス)、豪州 | 鋭く伸びやかな酸、ペトロール香(石油系)、低アルコール |
| 7位 | メルロ | 赤 | フランス、アメリカ、日本 | カベルネより穏やかな酸とタンニン、ふくよかな果実味 |
| 8位 | サンジョヴェーゼ | 赤 | イタリア | サワーチェリーの香り、強い酸味、熟成によるオレンジのエッジ |
| 9位 | マスカット・ベーリーA | 赤 | 日本 | キャンディ香(フラネオール)、明るい色調、非常に軽い渋み |
| 10位 | 甲州 | 白 | 日本 | 非常に淡い色調、和柑橘の香り、シュール・リー由来の旨味 |
出題頻度Sクラス:絶対に外せない基本の4品種
合否を分ける最重要品種群です。外観・香り・味わいの特徴と、冷涼産地・温暖産地の違いを明確に言語化できるようにしましょう。
1位:シャルドネ(Chardonnay / 白)
気候帯による香りと酸の骨格の違いが出題の鍵となります。
冷涼産地と温暖産地のスタイルの違いを明確に比較しましょう。
シャルドネは「造り手や気候のキャンバス」と呼ばれるほど、産地によって表情を変えます。
試験では、冷涼産地(シャブリなど)と温暖産地(カリフォルニアやオーストラリアなど)の比較が定番です。
- 冷涼産地のスタイル: グリーンがかった淡いイエロー。青リンゴや柑橘系の香り。シャープな酸味とミネラル感が特徴。
- 温暖産地のスタイル: 濃いイエロー。パイナップルやトロピカルフルーツの香り。樽由来のヴァニラやバターの香り(マロラクティック発酵由来)、ふくよかな果実味。
2位:カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon / 赤)
濃い色調とカシスなどの黒系果実、しっかりとしたタンニンが特徴です。
ピーマン香(ピラジン)の有無も重要な判断基準です。
赤ワインの王道品種であり、最も出題頻度が高い一つです。
- 外観: 黒みを帯びた濃いダークチェリーレッド。粘性は強め。
- 香り: カシス、ブラックベリー、ピーマン(メトキシピラジン)、杉、シガー、ロースト香。
- 味わい: 豊かな酸味と、収斂性の強いしっかりとしたタンニン(渋み)。
3位:ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc / 白)
グレープフルーツの柑橘香とハーブの青草香が特徴的です。
ニュージーランド産とフランス産の違いを把握することが必須です。
香りの特徴が非常にわかりやすいため、確実に得点源にすべき品種です。
産地特有の香りのニュアンスを正確に捉えましょう。
ニュージーランドのものは極めて簡単ですが、フランスのものは近年青臭さが減少傾向にあり、難しくなってきています。
- ニュージーランド産: パッションフルーツやグレープフルーツの弾けるような果実香に、ハラペーニョや芝生のような青々しい香りが混ざる(チオール類が顕著)。
- フランス(ロワール)産: より控えめで上品な柑橘香と、火打石のようなミネラル感が特徴。
4位:シラー/シラーズ(Syrah/Shiraz / 赤)
黒胡椒のスパイシーさと力強い果実味が特徴です。
仏産の繊細さと豪州産の濃厚なスタイルの違いを比較できるかが合否を分けます。
カベルネ・ソーヴィニヨンとの違い(酸とタンニンの質、スパイシーさの種類)を意識してテイスティングすることが重要です。
- フランス(北ローヌ)産 / シラー: エレガントな酸、黒胡椒(ロトン)、血肉やなめし皮のニュアンス。
- オーストラリア産 / シラーズ: ジャムのような凝縮した黒系果実、ユーカリやミントの香り、アルコール度数が高く甘やかなタンニン。
出題頻度Aクラス:特徴を掴めば得点源になる6品種
基本の4品種をマスターした後に取り組むべき品種群です。各品種ならではの「明確なサイン」を見逃さないことがポイントになります。
5位:ピノ・ノワール(Pinot Noir / 赤)
明るいラズベリーレッドの外観と、イチゴやチェリーなどの赤系果実の香りが特徴。酸が豊かでタンニンは緻密な点に注目します。
外観の淡さから、マスカット・ベーリーAやサンジョヴェーゼ、ネッビオーロと比較されることが多い品種です。
できれば、ガメイとの比較テイスティングもしておくとよいと思います。
- 識別のポイント: 色調が淡く、グラスの底が見える。ラズベリー、イチゴ、紅茶、なめし皮、腐葉土の香り。滑らかなタンニンと伸びやかな酸味。
6位:リースリング(Riesling / 白)
鋭い酸とペトロール(石油)香が最大の特徴です。
アルコール度数が低めで、残糖感がある場合も多い品種です。
ただし近年のアルザス産はぺトロールがしないことが多く、ぺトロールだけで覚えるのは危険です。
- 識別のポイント: グリーンがかった淡いイエロー〜黄金色。青リンゴ、白い花、菩提樹、ペトロール香(TDN)。非常に豊かな酸味と、産地によってはほのかな甘味。
7位:メルロ(Merlot / 赤)
カベルネに似ていますが、よりふくよかで果実味が柔らかく、酸とタンニンが穏やかなのが特徴。
カベルネ・ソーヴィニヨンとの明確な差別化(酸と渋みの強弱)が必要です。
- 識別のポイント: カベルネより少し明るい色調。プラムやブラックチェリー、土っぽいニュアンス。タンニンは丸みがあり、酸味は穏やかでふくよかな味わい。
8位:サンジョヴェーゼ(Sangiovese / 赤)
明るい色調とサワーチェリーの香り、際立つ酸味が特徴のイタリア代表品種です。
熟成によるオレンジがかったエッジもポイント。
イタリアの代表品種として出題率が安定して高いです。
- 識別のポイント: ややオレンジを帯びた明るいルビー色。サワーチェリー、トマト、ドライハーブの香り。収斂性のあるタンニンと強い酸味。
9位:マスカット・ベーリーA(Muscat Bailey A / 赤)
キャンディやイチゴのような甘い香りと、穏やかな渋みが特徴の日本固有品種。
外観は明るく、軽やかな味わいがポイントです。
日本のワインとして出題される定番です。
- 識別のポイント: 紫がかった明るいルビー色。イチゴキャンディや綿飴のような甘い香り(フラネオール)。酸味は爽やかで、タンニンは非常に軽い。
10位:甲州(Koshu / 白)
非常に淡い色調に和柑橘の香り、すっきりとした酸味が特徴の日本品種。
シュール・リー製法による旨味の余韻も重要です。
ミュスカデ(シノニム:ムロン・ド・ブルゴーニュ)など、他の淡い白ワインとの識別が問われます。
- 識別のポイント: 無色に近いほど淡いイエロー、わずかにグレーの色調(グリ)。すだちや柚子などの和柑橘、白胡椒。シュール・リー由来の酵母の香りと旨味。
まとめ:ランキング品種を効率的に学ぶテイスティング手順
TOP10の品種を「比較テイスティング」で繰り返し練習することが、最短で二次試験を突破するための最も確実な対策法です。
各品種を単独で飲むのではなく、類似する品種や産地違いを同時にテイスティング(フライト・テイスティング)することで、脳内のエンティティマップ(香り・味わい・産地の結びつき)が強固になります。
- 同系色の品種比較: カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーを同時に注ぎ、香り(ピラジン vs ロトン)と渋みの質を比べる。
- 同一品種の産地比較: シャブリ(仏)とナパ・ヴァレー(米)のシャルドネを並べ、気候による酸と果実味の違いを体感する。
- マークシートの活用: 実際の試験で使用されるテイスティング用語選択のマークシートに沿って、言語化のトレーニングを反復する。
特に「木樽熟成かステンレス熟成か?」は、比較テイスティングするとすぐにわかります。
熟成プロセスから産地を絞れることも多いため、ぜひ練習しておきましょう。
それぞれの練習に最適なワインは下記の個別テイスティングで紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。



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