ローヌ地方(フランス)は安くておいしいワインの産地!特徴とおすすめを紹介!

ローヌワインの特徴とおすすめ銘柄紹介 地方の特徴
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フランスのワインって高すぎて飲めないと思いませんか?

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ワインってただでさえ高いのに、特にフランス産はどんどん値上がりしていて、おいしいものは3000円以上のものがほとんどです。

そんな中で1000円台でしっかりおいしいワインの産地があるとしたらどうでしょう?

今回はフランスの中で安うまとして有名なローヌ地方について解説します。

ローヌ地方のワイン造り

ローヌ地方は南北でワインの特徴がハッキリ分かれます。

それぞれの特徴は後述しますが、まずは全体感についてつかんでおきましょう。

ローヌ地方全体のワインに共通する特徴としては、濃厚でフルボディな味わいが挙げられます。

一番の要因はブドウ品種にあり、赤ワインはシラーやグルナッシュという香りや骨格がしっかりしたブドウを、白ワインはヴィオニエやルーサンヌというアロマティックな品種を育てています。

また、ローヌ地方は、ワインのブレンドに適している地域であり、さまざまな品種のブドウを組み合わせて、複雑な風味を生み出すことができます。

フランスの他地域と比較してみましょう。

ブルゴーニュボルドーローヌ
代表的な
ブドウ品種
赤:ピノ・ノワール
白:シャルドネ
赤:カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー
白:ソーヴィニョン・ブラン、セミヨン
赤:シラー、グルナッシュ
白:グルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ
作り方単一品種ブレンド(アッサンブラージュ)ブレンド、単一品種
印象繊細、エレガント力強い、リッチな香りさらに力強い、スパイシー
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単一品種で繊細なワインを造るブルゴーニュ。

ブレンドして骨格のしっかりしたボルドー。

ボルドーよりもパワフルなローヌ。 こんなイメージです。

また、ローヌ地方のワインは、古代から続く長い歴史や伝統に支えられており、多くのワイン生産者が家族経営の小規模な農園でワインを生産しています。

これにより、地域ごとに異なる特徴を持つワインが生産され、それぞれが独自の味わいを持っています。

このようにローヌ地方のワインは、濃厚な味わいと豊かな風味が特徴であり、フランスのワイン産地の中でも高い評価を得ています。

北部ローヌとは

その名のとおり、ローヌ地方の北半分を指し、ボジョレー・ヌーヴォーで有名なブルゴーニュのボージョレ地区のちょっと南に位置します。

お隣のブルゴーニュ地方と同じ大陸性気候で、ボージョレ地区より少し暖かいくらいですが、渓谷のため強い風が吹いていて、結構過酷な環境です。

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この風の名前はミストラルと言います。

技の名前みたいでかっこいいですね。

土地の起伏が激しく、小さな畑が傾斜地に点在しているため、ワインの原料となるブドウの手入れが大変です。

農業機械も入れない場所が多いため、ブドウ生育に手間がかかり、それによって南ローヌに比べると価格は高めになっています。

ワインの特徴

北部ローヌの赤ワインの特徴は、なんと言ってもシラーというブドウ品種からなる独特の香りです。

この品種は胡椒と同じ香り成分を持つためスパイシーな味わいとなります。

渋み成分であるタンニンもそれなりに含むため、「ほどよく渋くてスパイシーな、エッジの効いたワイン」のような味わいになります。

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個人的にはちょっと刺激が強いので、作り手を選ばないとビギナーにはおすすめできないワインが結構あります。

次に白ワインですが、こちらも香り豊かなワインが多いです。

ヴィオニエ、マルサンヌ、ルーサンヌといった香り高い白ブドウを使い、芳醇な香りの白ワインが作られます。

なおローヌ地方のワインはブレンドが多いと説明しましたが、北部に限って言えば単一のブドウ品種でブレンドせずに作るものの方が多いです。

おすすめのA.O.P.

「A.O.P.って何?」という方はこちら

ローヌ地方は安うまの掘り出し物が多いですが、北部ローヌだけを見ると高級なものの方が多いです。

高級産地を紹介するのは別の機会にして、今回はビギナーが現実的に手が出せる価格に絞り、有名な産地を紹介します。

サン・ジョセフ

北部で一二を争うお手頃なA.O.P.です。

前述のシラーをベースに、10%までであればマルサンヌやルーサンヌを混ぜて作ることができるので、スパイシーだけど果実み豊かで飲みやすい赤ワインを作っています。

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実際にはシラー100%のものが多いようです。

白ワインについてもマルサンヌ、ルーサンヌという白ブドウを使って、爽やかなワインが造られています。

クローズ・エルミタージュ

こちらもお手軽なA.O.P.で、先ほどのサン・ジョセフとは、ローヌ川をはさんでお向かいに位置しています。

ワインの造り方はサン・ジョセフと似ていて、赤ワインであればシラーを中心にして、マルサンヌ、ルーサンヌという白ブドウを15%まで混ぜることができます。

白ワインについてもマルサンヌ、ルーサンヌからなる芳醇なワインを造っています。

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個人的には、サン・ジョセフは果実味が前に出て万人受けしそうなタイプ。

クローズ・エルミタージュはちょっぴり野性味があってスパイシーなものが多い印象です。

南部ローヌ

ローヌワインで安くてうまいとなると、基本的には南部で造られたものになります。

北部は傾斜地が多く、ブドウ畑に農業機械が入れなかったりして作業効率が悪いことから、手入れが難しいなどの理由で価格が高くなります。

一方で南部は平地が多いため作業効率がよく、気候も穏やかなのでブドウの生育もしやすいです。

このような理由から、南部ローヌはブドウ生産のコストが抑えられ、それによってワインの価格も下げることができています。

ワインの特徴

前述のように地形や気候が北部とは全く異なるため、育てているブドウの品種も北部とは全然違います。

南部で最も重要なブドウはグルナッシュという果実味ゆたかなブドウです。

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通常「グルナッシュ」という場合には赤ワインに使う黒ブドウのことを指しますが、白ワインに使う「グルナッシュ・ブラン」というものもあります。

南部についてはブレンドが主流となり、グルナッシュに加え、シラーやムールヴェードルというブドウを多く使用します。

白ワインについてはグルナッシュ・ブラン、マルサンヌ、クレレットというブドウ品種を中心にブレンドするものが多く、酸味が穏やかでビギナーにも飲みやすいものが多いです。

有名なA.O.P.

シャトー ヌフ・デュ・パプ

南部を代表する高級ワインです。

と言っても、造り手を選べば3000~5000円程度で購入できるため、ボルドーやブルゴーニュの高級ワインよりははるかに手が届きやすいです。

指定された13種類のブドウの中から、好きな品種を選んでブレンドしてよい決まりになっており、赤・白ともに3~4種類のブレンドを使用して作ることが多いです。

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まれに13品種全てをブレンドしたワインもあるようですが、私は飲んだことがありません。

使用できるブドウ品種が幅広く、組み合わせも造り手によって大きく異なるため、同じシャトー・ヌフ・デュ・パプでも造り手によって味わいは全く異なります。

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「この前飲んだヌフは渋さ控えめで甘い風味があったけど、今回飲んだヌフは超渋い!」みたいな事も起こりますので、ブドウ品種には気をつけておきましょう。

ジゴンダス

以前当サイトでも紹介したことがあります。

ジゴンダス村で造られるワインで、製造方法として「グルナッシュを50%以上含み、シラーかムールヴェードルをブレンドすること」という決まりがあります。

そのため、造り手による差はシャトー・ヌフ・デュ・パプよりも圧倒的に少なく、グルナッシュの特徴であるあふれる果実味による飲みやすさがあり、ビギナーにおすすめできます。

安うまローヌの鉄板 コート・デュ・ローヌって?

ここまで解説してきたおすすめA.O.P.のワインは、大体2000~3000円くらいします。

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「ちょっと背伸びすれば手は届くけど、まだまだ安いとは言えないよ!」という声が聞こえてきますね。

そこで、「コート・デュ・ローヌ」の出番です。

コート・デュ・ローヌをざっと説明すると

・ローヌ地方のワインで、一定の製造方法を満たしていれば名乗ることができる。

・ブドウの品種や産地はブレンドできる。

・北部、南部問わず名乗れるが、実際にはほとんど南部のブドウを使っている。

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例えば「ジゴンダス」と名乗るためにはジゴンダス村で生産されたブドウ100%で作る必要がありますが、「コート・デュ・ローヌ」であれば、ジゴンダス村のブドウを30%使って、あとはこことあそこと・・・みたいな感じでブドウを集めることができます。

このように都合よくブドウを集めることができ、製造条件もこれまで解説したA.O.P.よりゆるいため、価格を抑えることができます。

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もちろん規格がゆるい分だけハズレの比率も上がりますし、テロワール(土地ごとのブドウの特徴)も感じにくいワインが多くなります。

一方でローヌ地方っぽさは残っているため、安価にローヌワインを試したいときはおすすめできます。

コート・デュ・ローヌであれば、1000円強でおいしいワインを飲むことができます。

おすすめのローヌワイン

コート・デュ・ローヌ ブラン E・ギガル

香り高いヴィオニエを中心に、ローヌで栽培されているブドウ5種をブレンドして作られた芳醇なワイン。

リーズナブルなコート・デュ・ローヌではあるものの、作っているのが「ローヌの帝王」と呼ばれるE・ギガルという造り手なので、品質は高いです。

香り高いワインのため、キンキンに冷やしたりせず、ほんのり冷やすくらいでいただくと良いでしょう。

ジゴンダス シグネチャー ジゴンダス・ラ・カーヴ

先ほど紹介したジゴンダスで「ジゴンダス・ラ・カーヴ」という造り手が作っているワインです。

ブドウ畑1haあたりから作るワインの量を減らすことで、ブドウ1個1個がとても濃縮された味わいとなり、ワインの香りや味わいも素晴らしいものになっています。

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基本的に、同じ大きさのブドウ畑であれば、取れるブドウの量(生産するワインの量)が少なければ少ないほど香りや味わいが凝縮された高品質なワインとなり、取れるブドウの量が多いほど薄い味わいのワインができます。

※「収量制限」といって、法律で「○○以下にしなさい!」と厳しく決められています。

このワインはブルゴーニュ地方の最高格付けのワインと同じレベルで収量制限を実施しているため、とても濃密な味わいになっています。

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「収量制限が最高格付けと一緒 ⇒ 味わいも最高格付けと一緒」ではないので注意してください。

サン・ジョセフ E・ギガル

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またもやローヌの帝王「E・ギガル」です。

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正直なところ、「ローヌだったらとりあえずギガル飲んでおけばいいんじゃない?」と思ってしまうレベルで、とってもおいしいワインを造っています。

先ほどのコート・デュ・ローヌも品質は高いですが、やはり格付けが上になると味わいの格も変わってきます。

シラーのスパイシーさは感じますが、一方で若干甘い風味の果実味を感じることができ、ビギナーでも飲みにくいことはなく、ローヌの良さを感じることができます。

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ローヌワインは特に炭火を使った焼肉との相性が良く、焼肉屋さんに行くとついついローヌワインを探してしまいます。

これまでワインが高くて敬遠していた人も、1回だけチャレンジしてもらえると嬉しいです。

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