【初心者には新世界!】新世界と旧世界の違いとおすすめワイン4選

ワインにおける旧世界と新世界とは? 学ぶ
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ワインには新世界・旧世界という分類があります。

チリ・アメリカなどの国々は新世界(ニューワールド)と言われ、安くても飲みやすくておいしいワインが多いです。

一方、フランス・イタリアなどのヨーロッパの国々は旧世界(オールドワールド)と言われ、安くておいしいワインを見つけるのは少し苦労するものの、高価格帯の品質はすごく高いです。

今回は、「なんとなく違いがありそうだけど、差が何なのかは説明できない。」新世界と旧世界について解説します。

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初心者には低価格でおいしく飲みやすい新世界ワインをおすすめします。

ワインの旧世界はヨーロッパ 新世界はそれ以外の国々

ヨーロッパの地図

まずはそれぞれの代表的な国々をざっと見てみましょう。

旧世界新世界
フランス、イタリア
スペイン、ドイツ
ポルトガル、オーストリア
ギリシャ、ジョージア など
アメリカ、チリ
オーストラリア、南アフリカ
ニュージーランド、アルゼンチン
中国、日本 など
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旧世界はヨーロッパ周辺に集中していますね。

もう少し細かく解説していきます。

ヨーロッパが旧世界と呼ばれる理由

ざっくり言ってしまえば、旧世界とは古くからワインを作っている国々です。

ワインは紀元前6000年にジョージアで生まれ、それからギリシャ⇒イタリア⇒フランスと伝わってきました。

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このように古くからワインを生産していた国々では、ワインに対して独特なルールがあったり、長い歴史があるが故の味わいがあったり、いくつもの特徴があります。

このようなルールに基づきラベル(エチケット)を書いているため、旧世界のラベルは初心者には難しいです。

・旧世界はヨーロッパ(ギリシャなどの東欧も含む)のワイン生産国

・旧世界のラベル(エチケット)は読みにくいものが多い

新世界と呼ばれる国々ができた理由

前述した旧世界のみでワインを作っていたわけですが、「ヨーロッパ以外でもワインって作れるよね」となり、15世紀以降にワイン作りが広まりました。

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こういった国々では、ワイン生産が始まるとともに旧世界をお手本にしたシステムを導入しており、現在でもどんどん味が進化しています。

なおワイン以外で「新世界」というと日本や中国は外れますが、ワインにおいてはヨーロッパ以外の国=新世界なので、日本や中国も新世界です。

新世界のラベル(エチケット)は品種名が書かれていたり、初心者でも読みやすいものが多いです。

・新世界とはヨーロッパ以外のワイン生産国

・新世界のラベル(エチケット)は読みやすいものが多い

新世界と旧世界の代表的な国々を紹介

旧世界の代表的な国と特徴

エッフェル塔の写真

フランス

いわずと知れたワインの有名産地で、ワイン生産量世界2位の国。

100万円を越えるワインを作るシャトー(作り手)がひしめくボルドー地方では複数のブドウを混合(アッサンブラージュ)して作るワインが多いです。

ロマネ・コンティをはじめとして、一本数百万円もするワインを生み出すブルゴーニュ地方では単一の品種でワインを作るのが特徴です。

シャンパンの名前で有名なシャンパーニュ地方は世界で最も重要なスパークリングワインの産地と言えます。

その他にも、フランスには有名産地がズラリと揃っています。

イタリア

イタリア独自のブドウ品種(土着品種)を使ってワインを作るのが特徴で、ワイン生産量世界一の国。

ワインの王とまで言われるバローロ、バルバレスコを生産するピエモンテ州。

スーパータスカンと言われるワインを作り、キャンティなどで有名なトスカーナ州。

手の届きやすい価格で果実見豊かなスパークリングワイン(プロセッコ)を作るヴェネト州など、どの地方を見ても土着品種で高品質なワインを作っています。

スペイン

旧世界の中では暖かく日差しもたっぷりあるスペインは、ワイン生産量世界第3位です。

フランスから多くの技術者が流入し、果実み豊かで熟成したワインを楽しめるリオハ州。

果実みを活かしつつ、豊かな酸味を併せ持つ赤ワインと、シャンパーニュと同じ製法の高品質なスパークリングワインを作るカタルーニャ州。

土着品種も多いですが、国際品種(世界中で使われている品種)のワインも多く存在します。

新世界の代表的な国と特徴

草原と星条旗の写真。アメリカ。

アメリカ

アメリカは新世界の筆頭と言えます。

なんと1970年代にはワインのブラインドテイスティングコンテストでフランスを破って優勝し、新世界のクオリティの高さをしめしました。

アメリカワインはほとんどがカリフォルニア州で作られていて、暖かな日差しをたっぷり浴びた果実味豊かな味わいが特徴。

初心者にとって飲みやすいワインが多いです。

チリ

意外かもしれませんが日本へのワイン輸入量が常にトップクラスのチリ。

旧世界の国々から技術を得つつ、最新設備の導入や大量生産することで安価に美味しいワインを生産しています。

安価なワインでは少しえぐみを感じることもありますが、温暖で日差しの強い産地であるため渋みが穏やかで、初心者におすすめできるものが多いです。

フランスのボルドースタイルのワインも多いため、低価格でボルドー感を味わうことができます。

南アフリカ

旧世界からの技術流入が激しい南アフリカ。

ワイン造りのスタイルも幅広く、フランスのボルドー地方テイストなワインも非常に高いクオリティです。

イメージとしては、スタイルはボルドーでありつつ少し酸味や渋みをおだやかにした印象です。

さらに南アフリカは自然との共生を意識した農家が多いため、SDGsの意識が高い人には南アフリカワインがおすすめです。

新世界と旧世界のワインの違い

ラベル(エチケット)の違い

ワインのラベルの写真

旧世界のラベルは、A.O.P.などのようにラベルの記載が管理されています。

例としてブルゴーニュ地方を見てみましょう。

「ブルゴーニュ地方が全く分からない!」という人はこちらも合わせて読むと、理解が深まります。

ブルゴーニュのワインで、例えば「CHABLIS(シャブリ)」とエチケットに書いてあったとします。

この場合、他にはドメーヌ(造り手)・ヴィンテージ(収穫年)・アルコール度数が書かれていると思いますが、どのようなブドウを使っているかは書かれていません

フランスのルール的に、「シャルドネ100%でできているワインしかCHABLISと名乗ってはいけない」と決められているため、品種を書く必要が無いからです。

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これだとワインに詳しい人たちはすぐにピンときますが、初心者にはわかりません。

一方、新世界のワインにはエチケットにブドウ品種が書いてあるものが多いです。

先ほどの例でいえば、ラベルに「シャルドネ」とそのまま書いてあるイメージです。

ブドウ品種を手掛かりにワインを選ぶためには、新世界のラベルの方が読みやすいですね。

新世界と旧世界では美味しい価格帯が違う

ユーロ紙幣と硬貨の写真

例えば同じ1000円のワインを探したとき、フランスワインとチリワインであれば、どちらが高品質なものに出会う確率が高いでしょうか?

もちろんワインによりけりですが、全体的にはチリワインの方が確率が高いです。

ワインの価格と味わいについては、以下のようなイメージを持ってください。

新世界と旧世界のコスパグラフ

これはいくつか理由がありますので、主な違いを次にまとめます。

新世界旧世界
製造スケール大量生産でコスト小少量生産のためコスト大
製造方法最新設備を積極活用伝統的な製法を重視
投資家の影響アメリカ以外は影響小投資家が値段を吊り上げる

もう少し詳しく見ていきましょう。

旧世界は高価格帯ワインがおいしく、低価格でおいしいものは見つけにくい

伝統を重んじる傾向のある旧世界では、従来の製造法方にならってワインを作るため、どうしても最新設備の導入が限られるため生産数が少なくなります。

また作り方についても法律で厳しく定められているため、上位格付けとして販売するためには大量生産しにくい背景があります。

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ただし色々な縛りや伝統、過去から継承されている超一流の技術があるため、高価格帯においては他を圧倒する美味しさをみせます。

さらに世界のセレブが好む有名な銘柄が多いため、先物取引を行う投資家(転売ヤーのようなもの)に目を付けられ、実際の値段よりも価格が吊り上げられています。

例えば有名なロマネ・コンティは同じ収穫年(ヴィンテージ)が6,000本しかありません。

それを先に買いあさっておき、同じ収穫年のワインがほとんど消費されて希少性が上がってから「○○年のワイン!10本限定で販売!」とすれば、買値以上に売値が上がるのは確実ですよね。

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純粋にワインを楽しみたい人間からすれば迷惑でしかないですが、初期費用と保管設備さえあればワインの先物取引はかなり稼げるのです。

新世界は低価格でもおいしいものが多いが、高価格では旧世界に一歩及ばない

新世界は歴史が浅いため伝統の縛りはあまり無く、最新で高効率な設備を使うことができます。

さらにワイン造りのお手本となる旧世界から技術をどんどん吸収しています。

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このような背景もあって、低価格帯では圧倒的なコスパを誇ります。

ただし高価格帯になると、このようなメリットよりもブドウ栽培や醸造における職人技の方が美味しさに影響しますので、さすがにまだ旧世界には及ばない印象です。

旧世界の方で問題となっていた投資家による値段の吊り上げも、アメリカのカルトワインを除けばあまり影響を受けてないといえます。

カルトワインって?

製造コストは度外視で、とにかく高品質なワインを作ることを目指して製造されるワイン。生産数が極めて少ないことが特徴で、需要が供給を大幅に上回るため価格高騰が起きやすい。

新世界よりも旧世界の方が飲み頃が難しい

乱暴な言い方になってしまいますが、旧世界は飲み頃が難しいワインが多です。

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例えば旧世界によくあるのが「このワインは5年以上熟成させると非常に美味しいけれど、それまでに飲んでしまうとかなり酸っぱくて渋い」のようなワインです。

これは旧世界の気候やワインの製法が原因となっており、飲み頃が限定されてしまうようになります。

特に重要な要素は次の2点です。

新世界旧世界
気候温暖なためまろやかな味わい冷涼なため酸味が強い
熟成期間早いうちから飲みやすいものが多い長期熟成向きが多い

旧世界のワインにはどうもこのようなワインが多い印象で、しっかりと知識を持って造り手や収穫年の情報を得ておかないと、飲み頃のミスをしやすい傾向にあります。

新世界のワインも当然飲み頃はありますが、そうではないワインもそれなりに美味しく飲める傾向にあり、あまり深く考えずに飲みたいのであれば新世界のワインをオススメします。

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これはどちらが優れているというわけではなく、あくまで産地の特徴として記憶していただきたいです。

旧世界ワインと新世界ワインの違い まとめ

今回の内容をまとめます。

  • 旧世界はラベルや飲み頃がわかりにくく、おいしいものは高価格になりがち。
  • 新世界はラベルがわかりやすく、低価格でおいしいものに出会いやすい。

こう見ると新世界の方が優れているようにも見えますが、決してそうではありません。

旧世界のワインはワイン造りのルーツにもなっており、高品質なワインを飲み頃で飲むととてつもないポテンシャルを持っています。

どちらが良いという事ではなく、飲み手の状態によって選ぶワインを変えるのが良いと思います。

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ただし初心者ににオススメできるのは、低価格で飲みやすい新世界のワインということになります。

初心者におすすめな新世界のワイン

コノスル ヴィシクレタ ピノ・ノワール ロゼ

チリの安旨ワインメーカーとして有名なコノスルの、ピノノワールという品種で作られたロゼワインです。

チリの赤ワインは若干えぐみを感じるものが多く好みがわかれるところなので、えぐみがないロゼワインの方が苦手な方が少ないかと思います。

多少であればえぐみも平気という方であれば、同じピノノワールの赤ワインもオススメできます。

シンプルなワインですので、単体で楽しむというよりは料理のおともにするのが良いと思います。

スターク コンデ ステレンボッシュ カベルネソーヴィニヨン

南アフリカのステレンボッシュというところで、スターク・コンデという造り手が作った赤ワインです。

カベルネソーヴィニヨンという品種を中心に、ほかのブドウ品種を若干量アッサンブラージュ(混合)しています。

フランスのボルドーと同じようなバランスのワインで、フランスでいえば4000-5000円くらいのワインに相当するくらい、高いポテンシャルを持っていると思います。

非常に高品質なワインですので、これを単体で楽しむのもよいと思います。

カルカニア・クレア・バレー シラーズ バーン・ヴィンヤーズ

オーストラリア サウス・オーストラリア州のクレア・バレーという土地で、バーン・ヴィンヤーズという造り手が作っている赤ワインです。

ブドウ品種はシラーズという名前で、オーストラリアを代表する品種です。

このワインに限らず、オーストラリアのシラーズでできたワインを飲むと、少しユーカリのような清涼感と甘みがあり、非常に濃いながらも甘みがあって飲みやすいワインです。

アナベラ ナパヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン

カリフォルニアのナパ・ヴァレーというところで作られている赤ワインです。

カベルネ・ソーヴィニヨンというブドウを使っていますが、上で紹介した南アフリカのスターク・コンデとはかなり印象が違います。

酸味や渋みは豊かなブドウ品種であるものの、バニラのような甘い香りが漂うため、飲んでいる感覚として「酸っぱい」「渋い」と感じにくいです。

今回のテーマにふさわしい、まさに新世界的なワインです。

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「ワインと言えばフランス」と思ってしまいそうですが、最近はコンビニでも新世界ワインが豊富です。気になったら飲んでみてくださいね!

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