「ワインエキスパートを受験したいけど独学で不安」と思っていませんか?
ワインエキスパート一次試験はランダムに出題されるCBT試験のため、ヤマをはることができません。
しかし出題数は分野ごとにおおむね決まっているため、出題されやすいものから順に勉強していくことが重要です。
また、基本的には暗記科目となりますが、意味を理解していないと後々不利になる分野もあります。
点数に繋がりやすい勉強順とやり方を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
>資格の概要を知りたい方は
>試験合格までのスケジュールを知りたい方は
勉強時間の目安
知識ゼロの初心者であれば、500時間を安全圏の目安としておきましょう。
知識ゼロとは、「ピノ・ノワール?知ってる・・・かなぁ」くらいのレベル!
ゼロからはじめて200時間程度でも合格できる人はいると思いますが、かなりハードルは高いです。
このあとの勉強法では、500時間学習することを前提に学習方法の紹介を行います。
理解すべき個所と暗記する箇所を分けて勉強する
ワインエキスパート試験は暗記が中心ではありますが、①他の項目へリンクしている情報と②独立している情報 の2種類があります。
例えば赤ワインの醸し(マセラシオン)は単独でも問題には出ますが、①マセラシオン時間と味わい⇒テイスティングに影響②マセラシオンの特殊法⇒マセラシオン・カルボニック⇒新酒を作る方法 とリンクしていきます。
何かを思い出したいとき、記憶を引き出すフック(きっかけ)は多い方が思い出しやすくなりますし、応用範囲が広くなります。
知識のリンクが多いほど、記憶の定着が早くなるよ!
他の項目へリンクしている情報については、暗記ではなく理解まで持っていき、定着させておきましょう。
一方で、「メドック地区の格付けシャトーの名前と地域」のように、単独で覚えるしかないものもあります。
これらを踏まえたうえで、オススメの勉強順を紹介します。
0~300時間 参考書や教本を読んで学習
いきなり問題集に取り掛かるのではなく、まずは参考書や教本で知識の枠組みを作っていきます。
オススメの参考書は次の通り。勉強を始めるタイミングで準備しておきましょう。
参考書の詳しい紹介や、活用スケジュールは別記事にまとめています。
理解を伴って覚えるところと、単純な暗記個所を分けて整理しましょう。
次に紹介する順番で学習するとわかりやすいですよ♪
()内には一次試験におけるおおよその出題数も記載していますので、学習の参考にしてください。
一次試験は120問くらいです!
ワイン概論(出題数:10問前後)
最初はワイン概論についてしっかりと勉強します。
この分野は全てしっかりと順を追って理解することが重要で、ここを理解できていないと後の分野も理解できなくなります。
例えば生育サイクル・製造工程については、それぞれの工程の目的や、ワインにどのような影響をもたらすのかをしっかり理解できるまで勉強します。
また、この分野の用語は日本語・フランス語・英語が出題される可能性があるため、3つの言語で覚えておきましょう。
単語だけなので、語学が苦手でも大丈夫!
この分野は全問正解できるようにしておきます。
【フランス】ボルドー・ブルゴーニュ・シャンパーニュ地方(出題数:各2~3問)
フランスの中でもこれら3つの地方は出題数がとにかく多く、他分野とのリンクもあるので理解することが重要。
ボルドーは各地区の格付け、ブルゴーニュとシャンパーニュはグラン・クリュの問題がほぼ確実に出ます。
地図問題も出題可能性が非常に高いため、村や畑の場所をしっかり覚えておきましょう。
参考書の地図を見ながら、Google mapも使うと覚えやすいよ!
格付シャトー、村や畑の名前、生産可能色、歴史は全て暗記問題です。
「この地方は赤が多い」など最初に全体感を掴んでから、一つ一つのAOCはとにかく繰り返し覚えましょう。
この3地方での取りこぼしは痛いです。
【フランス】 その他の地方(3問前後)
ひたすら暗記が続きますが、フランスのその他の地方も重要です。
こちらも地図問題が出る可能性は多いため、位置関係も覚えましょう。
ただしあまりにも量が多いため、試験までに全てを暗記することは不可能です。
有名なAOCや最も○○(例:最大、最小、最古、最新、最多)なAOCは必ず覚え、マイナーなAOCは最悪落としても仕方ないと考えましょう。
イタリア(8~10問)
フランスに次いで出題数が多いため、8割以上は得点できるようにします。
ここも暗記が非常に多いですが、州は位置関係含めて覚え、細かなAOCは繰り返し暗記します。
イタリアの地図を描いて、20州と海・山の名前は書けるようにしよう!
こちらも有名なAOCや、出題しやすい「最も○○」というものを優先して覚えましょう。
歴史と絡めて出題されることも多いです。
スペイン、ドイツ、ポルトガル(各3~7問)
旧世界のなかでもこれらの国々は出題数が多く、他国の理解にも役立つのでしっかり押さえましょう。
スペインとポルトガルは暗記問題中心。
それぞれの酒精強化ワインの規定もよく出題されるため、しっかり覚えましょう。
シェリー、ポルト、マデイラ、どれかは絶対に出る!
ドイツはなんと言っても「ドイツ人でもわからない」と言われるほどルールが複雑。
理解するには時間を要するので捨てるのも手ですが、ドイツ法がわかればオーストリア法もリンクして覚えられるので、できれば覚えましょう。
「ドイツの法律は捨てた」という受験者もちらほらいるけど、覚えた方が良い!
アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、チリ、アルゼンチン、南アフリカ(各3~5問)
旧世界の頻出国を学習したら、次は新世界に移ります。
近年は新世界からの出題が多くなってきているため、早めにしっかりと学習します。
年々新世界の比率が増えているよ!
アメリカはA.V.A.を問われる問題が多く出ます。特にナパとソノマは重要。
オーストラリアとニュージーランドは、同じ人物が登場するなどして歴史が密接に関わっています。かならず連続して学習しましょう。
チリとアルゼンチンも、気候などを比較しながら覚えた方が定着します。
南アフリカは原産地呼称と気候を絡めた問題が出やすいです。
日本(7問前後)
日本はワイン生産量は少ないものの、トップクラスに問題数が多い分野です。
「日本の有識者なら日本のことを知っておけ」というメッセージだと思うよ!
ワイナリーの個別名称、生産地、ブドウ品種、歴史を絡めた問題がよく出ますが、点取り分野なのでどこを聞かれても答えられるようにしておきましょう。
酒類飲料概論、日本酒・焼酎、テイスティング、ワインの購入保管熟成(各3~5問)
暗記中心の分野です。
各分野しっかりとした配点がある上、試験範囲もこれまでの分野より多くなく覚えやすいので、極力点を落とさないように学習します。
他の範囲よりは、勉強時間と点数がきれいに比例するよ。
残った分野(各1~2問)
ここまでの分野を完璧にできていれば、最低限合格できるボーダーラインには立っています。
あとはどれだけ余裕を作れるかの勝負。他の国々や分野についてもしっかりと学習しましょう。
ただ、他の分野はほとんどが各1~2問しかでない低配点分野。
メインの分野で不安があるなら、残った分野は最低限にしておき、メイン分野の復習に時間を割きましょう。
残った分野の中でも重要箇所はたくさん(オーストリア、スイス・・・)。
でもそれ以上にメイン分野の定着が重要だよ!
300~500時間 問題集⇔参考書の反復演習
最後はひたすら問題を解いて知識を定着させます。
ここで重要なのは、全問正解することを目指すのではなく、確実に合格点が狙えるレベルに仕上げること。
全問正解を目指すのであればとにかく色々な種類の問題に触れる必要があり、とても試験までには間に合いません。
しかし合格点を取るレベルであれば、しっかりとした問題集を1つ完璧に仕上げれば到達できます。
問題集は1冊鵜を完璧に仕上げるようにする
例えば次のような問題があったとしましょう。
ブドウ由来の酸は次のうちどれか?①酒石酸、②乳酸、③酢酸、④ガラクチュロン酸
この問題に答える場合、基本レベルの人の回答はこうです。
答えは①です!
もちろん正解なのですが、聞き方を「では発酵由来の酸は?」と変えられると対応できませんね。
次に、完璧に仕上げたレベルの人の回答はこうなります。
①はブドウ由来の酸で、結晶化してワイン中で析出することもある。②はマロラクティック発酵由来の酸でリンゴ酸から生成する。③も発酵由来の酸で揮発性があり、多いとオフフレーバーに。④は貴腐ワインに含まれる酸で、熟成中に粘液酸、さらにカルシウム塩となることも。
ここまでいけば、類似問題が出ても対応できるようになっています。
問題集は必ず仕上げたレベルまで持っていきましょう!
おすすめの問題集
「問題集を買って勉強したい!」という人には、次の問題集がおすすめ!
この問題集は左ページに問題、右ページに解答が載っており、赤シートで回答と要点を隠しながら反復学習にできます。
高校受験の暗記問題集のような構成だよ!
詳しくはこちらの記事で紹介しています。
おすすめの勉強アプリ
スキマ時間にスマホで学習するなら、無料で使えるVINOLETアプリがおすすめ!
弱点克服が非常にやりやすく、無料メルマガに登録すれば500問の問題集アプリが使い放題になるので、一度見ていただくことをお勧めします。
詳しくは下記の記事でご紹介しています。
いかがでしたか?
難関と言われるワインエキスパート・ソムリエの一次試験、正しいやり方で勉強して、独学でも合格してくださいね。
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